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be SUV

ユーザーの気持ちをつかむべく世界中のメーカーがしのぎを削る
SUVというカテゴリーは、現在の自動車産業そのものを写す鏡だ

0→100km／hを5秒台で駆け抜ける韋駄天SUV
　絶対速度や瞬発力とは無縁だった昔のSUVとは違い、最新高性能SUVはスポーツカーも青ざめる速さを身につけている。なんと、4.8L・500馬力に増強されたV8を積むカイエンターボは最高速275km／h、0→100km／h5.1秒という、2世代前の911カレラさえ凌ぐ動力性能を備えているのだ！　車重が約2.5トンに達することを知れば2度ビックリだろう。さらに多気筒・大排気量ディーゼルターボの速さも凄まじい。その代表は日本未導入のVWトゥアレグ5L・V10TDIだ。


ポルシェ・カイエン	BMW・X5	ランドローバー・レンジローバースポーツ

●ツインターボのカイエン、スーパーチャージャーのレンジローバースポーツに、NAユニットで挑み続けるのがX5。エンジン屋BMWの意地とプライドが見える。こいつらに対抗するのはメルセデスが造るML63AMGだ。

ミニバンユーザーも虜にする最新SUVのマルチパーパス性
　アメリカでミニバンの販売が鈍化した一因は、間違いなくSUVの居住性や多用途性の向上にある。ランクルやディスカバリーに代表される伝統的SUVだけでなく、ボルボXC90が皮切りとなり、クロスオーバー系高級SUVでも3列シートの採用が珍しくなくなった。メルセデスGL、アウディQ7、2代目BMW・X5が好例だ。また、北米RAV4やアウトランダーのように、日本製SUVは下のクラスにも“3列”を展開する。

●XC90のセカンドシートは3分割で独立スライドが可能。こんな使い方もできるのだ。

クーペと見まごうばかりの美しさを表現
　かつてのSUVのキーワードは強さや逞しさ。おのずとスタイルは角張ったものとなり、無骨さが全面に表れていた。が、近ごろのSUVは、荒野よりアスファルトジャングルのほうが似合うモデルが多数。優美な曲線を描くルーフ、大きく傾斜したピラーなど、クーペのように美しく、セクシーなボディのモデルも登場している。

SUV王国のアメリカではサイズで車格をランク分け
　エクスプローラーの3サイズは4930×1870×1835mm。日本で見れば堂々としたSUVだが、本場アメリカではこれでもミッドサイズ。フルサイズとはキャデラック・エスカレード級モデルのことで、全長は5145（ESVは5660！）mm、全幅は2mオーバーに達する。やはりスケールが違う。で、07年に日本上陸を果たしたダッジ・ナイトロは、コンパクトサイズに属するモデル。米国勢はどのセグメントも層がかなり厚い。

COMPACT	MIDSIZE	FULLSIZE

道なき道を突き進む本格SUVも健在だ
　215mmのロードクリアランスと大径タイヤが生み出すディスカバリー3の大きな障害角は、けっして見せかけではない。人がよじ登れないような岩場や泥ねい地、砂漠を縦横無尽に走り回り、川さえも渡りきる能力（渡河水深限界は600～700mm！）を備えている。高度なメカを、イージーに操作できるようになった進化も見逃せない。

ディーゼルorハイブリッド技術開発は確実に進行中！
　欧州メーカーはかねてからクリーンディーゼルの開発にご執心。日本では馴染みがないが、すでにほとんどのメーカーがユーロ4規制をクリアするディーゼルをSUVにも搭載している。その先のユーロ5や米国のティア2Bin5をクリアする技術も実用段階に入りつつある。で、ハイブリッドはダイムラー・クライスラー＆BMW＆GM、VW＆アウディ＆ポルシェが、それぞれタッグを組んで開発中。どのメーカーも本気を見せている。

BLUTEC	HYBRID

●ディーゼルのクリーン化で注目を集めるのは、尿素を使ってNOxを還元するSCRシステム。将来性は◎だ。	●車重が重いSUVは、回生の技術をうまく生かせば走りの効率を大きく高めることが可能。ハイブリッド技術にも期待が集まる。ガソリンでも、ディーゼルでも組み合わせは自由。

Cセグメントをベースとしたクロスオーバーが活況を呈す
　欧州の小型クロスオーバーと言えば、少し前まではハッチバックベースの「なんちゃってSUV」が主流を占めていた。だが、RAV4やエクストレイルなどの好調ぶりをみて、より本格派のモデルが登場する気運。クーガやティグアンに注目！

フォード・クーガ	フォルクスワーゲン・ティグアン

●クーガはフォード版デュアリスとも言うべき存在。軽快かつスポーティなスタイルを持つクロスオーバーだ。で、トゥアレグの弟分と言えるのが、VWの新生ティグアンである。

Topics かなりスゴいことになっています SUV最前線

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