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特集
躍進するボルボ
安全性に優れ、スクエアなスタイリングをした良識的なクルマ……
もしあなたがボルボに対してそんなイメージを抱いているのだとしたら
それはちょっとイメージが古いと言わざるを得ないだろう
いまボルボは過去に積み重ねてきた経験に加え、さまざまな新しい挑戦を行っている
そして、見事にモダンで若々しいブランドへと生まれ変わった
そう、もはやボルボの魅力は安全性と快適さだけではないのだ
若々しくてスポーティなプレミアムカーへと躍進する新ボルボの魅力に迫る
河村康彦
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 創業以来のこだわりである安全性能の高さを身体を張って表すかのような、一見していかにも頑丈そうに見える四角いルックス。実用車とみれば満足レベルにはあるものの、スポーティな軽快感からはちょっと縁遠い少々重々しい走り……そんなキャラクターの持ち主がボルボというメーカーのクルマと思っているならば、その思考回路はもう古過ぎるかも知れない。
 確かに、ひと昔前までのボルボ車には、実際にそうしたイメージとテイストが付きまとっていた。もっと具体的に例を挙げて言うならば、1991年に同社初のFWDモデルとして「850」が登場する頃までは、ボルボというブランド全体にはどことなく重々しく、若い人は近寄りがたいような雰囲気が漂っていたと言ってもよい。
 けれども今は違う。今のボルボはずっとモダンで若々しいメーカーへと生まれ変わっているのだ。
 そもそもスウェーデンに拠点を構えるボルボは、世界市場の動きに翻弄されざるを得ない環境下にある。人口わずかに900万人というのが自国スウェーデン。近隣諸国を含めても大きな自動車市場には当たらないこうした地に本拠を置くメーカーゆえに、その大半を「その他のマーケット」に頼らざるを得ないのがかねてからのボルボの歴史でもあるからだ。
 そうしたメーカーであるだけに、これまでのクルマ造りの変遷を見てみるのは興味深い事柄だ。
 1927年創業当初のボルボは、自国やヨーロッパ諸国をメインターゲットとしたクルマ造りが主流であったと解釈できる。しかし、時を追うにしたがって世界最大の自動車マーケット=アメリカ市場を睨んだクルマ造りを行うようになったのは、前述のようなこのメーカーが置かれた立場からしても当然の成り行きだったと言えるはずだ。そしてそうした傾向はもちろん最近になっても続いている。同社初の本格SUVとしてXC90がリリースされたのはその典型だし、その弟分としてすでにコンセプト・モデルが発表されているXC60(発売時にはXC50へと“改名”が噂される)がスタンバイをしているのも、今のアメリカ市場でSUVモデルが圧倒的な人気を集めているからにほかならない。
 一方で、これまでボルボ車には余り興味を示さなかった新しいユーザー層も開拓しようと、さまざまな新しいトライを見せている。
 すでに発売されているS40/V50といったモデルもそうした動きを示すひとつの例。そして、そんな若年層へのさらなる意欲的なトライとして大きく注目されるのが、間もなく日本にも導入される予定の、「ボルボにとって初めてのプレミアム2ドア・モデル市場への参入」と言われる「C30」である。
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