ボルボの新たな扉を開いたのは、98年モデルで投入したV70クロスカントリー(XC)。長年のワゴンづくりで培った高いユーティリティを基本に、行動半径を大きく広げるAWD技術を加えて、魅力を倍加させたことがヒットにつながった。
で、03年にはXC90でSUV市場に本格参入したが、またも戦略は当たり! 世界的なクロスオーバーブームも追い風となり、「XC」はボルボを支える柱の1本へと成長していく……。そして、その勢いを加速させたのが、XC70、XC90に続く新作のXC60というわけなのだ。
XC60の大きな注目点は、ボルボが新たなクロスオーバーの創造に挑戦したこと。具体的には、クーペを思わせる流麗なフォルムを融合させることで、「都会的でスポーティ」というボルボXCの新しい魅力を引き出すことに成功した。ボクシースタイルのXC90とはまさに好対照。このXC60から、ボルボ車のスタイルはグッとダイナミックかつ精悍になり、その流れはS60/V60や、上陸間近のV40にも受け継がれている。
クーペ風フォルムというと、カッコ優先の軟弱SUVを連想する人もいるだろうが……XC60は真面目がウリのボルボがつくるクルマ。機能や性能もおろそかにしてはいない。
その象徴は、ライバルに大きな差をつける235oの最低地上高で、タフな状況でもSUVに求められる走破性を発揮! 第4世代ハルデックスカップリングを核にした高度な電制4駆メカを搭載するT6 AWDは、とくに頼りになる存在だ。
ちなみに、スリーサイズは4625×1890×1715o。ワイドな全幅にさえ気を遣えば、日本でも持て余さないサイズに収まる点も人気のポイントと言える。また、直6ターボ+4駆のT6 AWDと、直4ターボ+FFのT5という2つの選択を用意することで、幅広い要望をカバーしている点も注目できる。
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