日米開発のエスケープがボクシーなスタイルを持っていたのとは対照的に、クーガのルックスは躍動的でスポーティな仕上がり。近年のフォードが掲げる「キネティック・デザイン」をクロスオーバーらしく大胆にアレンジしたのが見どころだ。 スリーサイズは4445×1850×1715mmと、日本市場においてはワイドな全幅がやや気がかりだが、数値は欧州のCセグSUVとしては平均的なもの。5.8mの最小回転半径を含めて十分といえる日常の取りまわし性を備える。フォルムの安定感やルックスの存在感を考えれば、パッケージは多くのファンを納得させる仕上がりと言える。
そして、デザイン性と実用性のバランスも優秀。室内は180cmクラスの男性4人が十分くつろげる広さを持ち、荷室も360〜1355Lという満足できる容量を確保している。アレンジ性に優れた後席を活かせば、大きな荷物や長尺物も楽に収納できるのだからアウトドアレジャーの相棒にもピッタリだ。
また、先代フォーカスのレベルから一段引き上げられた内装の質感も、クーガの光るところと言っていい。
プレミアムとまでは言えないが、「ドイツ製」らしいたしかな品質を実感させる造りになっている。先進性を主張するキーレススタートシステムや、スポーティなシルバー加飾パネルも採用し、現代的クロスオーバーの世界をトータルで演出している。
●ムードを高めるパノラミックルーフはタイタニウム以上のモデルに標準。前後分割のシェードが付く。本革にパイピングを施した上質かつおしゃれなシートは、インディビデュアルの専用アイテムだ。
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