ブロンコIIから発展したエクスプローラーは、長らくフォードの稼ぎ頭として気を吐き、本国ではコンスタントに年間40万台以上(!)のセールスを記録していた。だが、05年投入の4代目の時代に陰りが見え始め、徐々に勢いを失っていった。
そこで再生のメスが入れられたわけだが、5代目の変身はあまりにもドラスティック!
モノコックボディの採用は想定していたが、エンジン&駆動レイアウトをFRベースから横置きFFベースに大転換したのは正直言って想定外。同時にスタイルも、伝統のSUVらしいものから、現代的なクロスオーバールックへと鮮やかな変身を遂げた。
あまりに大胆な方針転換に、戸惑ったファンも少なくはないだろう。でも、新型の販売は本国だけでなく日本でも好調で、フォードの読みが正しかったことを証明している。
そんな新型エクスプローラーは、本国ではミッドサイズSUVに属するが、全高とホイールベースを除くボディサイズは先代よりも成長。全長5020×全幅2000×全高1805mmの3サイズを持つ、堂々としたSUVに仕上がっている。自慢にするのは、押し出し感あるルックスと、広さと使い勝手を進化させた3列7人乗りのキャビンだ。
ちなみに、FFベース化に伴って心臓も一新された。先代は4L V6&4.6L V8の構成だったが、新型が積むのは新世代の3.5L V6で、時代に合わせたダウンサイジングを敢行。さらに直噴ターボを採用する2L直4のエコブーストを追加したのだから、まさに2度ビックリだ。
新型エクスプローラーが強くアピールするのは、フォードの本気とアメリカ車の大変革。アメリカンSUVの王者は見事な復権を果たした。