【徹底紹介】シトロエン C4のすべて

シトロエン C4のすべて

優等生コンパクトだが、シトロエンらしさも随所に

　2610mmのホイールベースから想像できるように、プラットフォームは先代からのキャリーオーバーだ。しかし、全長を35mm、全幅を15mm、全高を10mm拡大するなど、ボディは少し大きくなった。押し出し感のあるマスクや、エッジを効かせたボディラインの採用と相まって、ひとクラス上のムードを醸し出すカギがそこにある。

　そして、ボディサイズ拡大などに伴って、キャビンやラゲッジのスペースが確実に広くなった点にも注目したい。先代比プラス28Lの容量380Lを実現した荷室は、テールゲート開口が大きくなったこともあり、使い勝手が大幅に向上。エクスクルーシブは便利なアームレストスルー機構も採用している。

　で、もうひとつの大きな進化点は、クオリティの向上だ。スラッシュ成形のソフト樹脂素材をインパネに採用するなど、インテリアは素材と造り込みの両面で、質感アップをカタチにした。で、いかにもシトロエンらしいユニークな装備は、5タイプの中から好きなカラーを選べるデジタル・アナログメーターの照明と、4タイプから選択が可能な各種警報音やターンシグナルの作動音。遊び心を感じさせてくれる。

　また、6速EGSを搭載するエクスクルーシブは、小さなセレクターレバーと電気式パーキングブレーキの採用を活かして、センターコンソールを大型化。500mlペットボトル4本が収まる容量を持ち、空調の風を利用した保温機能までを備えるのだから驚く。いかにもシトロエンらしい独創性が光る。

●180cmクラスの男性4人でも快適に過ごせるキャビン。触感がやさしいシートも、仏車らしくて魅力的だ。エクスクルーシブのシート地は上質だが、革張りもオプション選択できる。

先進の安全装備を採用 メカニズムも大幅に進化

　前ストラット／後トーションビーム式のサスは、比較的ソフトなスプリングと剛性の高いスタビライザーを組み合わせることで、操縦安定性と乗り心地のバランスを見直したのがポイント。ねらいは「シトロエンらしい乗り心地」の追求にある。また、新型からターボ車に導入された6速エレクトロニック・ギヤボックス・システム（EGS）は、シングルクラッチのオートメーテッド・マニュアル・トランスミッション（AMT）。パドルシフトも標準装備する。