ジープ ラングラー

見下ろし感覚の視界で意外にも運転感覚はイージー

　220mmの最低地上高やフレーム式のボディから想像できるように、フロア高はSUVのなかでも高い設定。小柄な人の場合、ステップを利用しても「よっこらしょ」となる。後席はドア開口も小さめで、やはり乗降性は褒められたレベルではない。

　だが、いざ乗り込んでしまえば、高い視点が生む見下ろし感覚の視界が、気分のいいドライビングのカギ。日常の移動でも新鮮な感覚が味わえる。また、悪路においては、周囲の状況や車両感覚が把握しやすいのがいいところ。パッケージは正統派SUVならではのものだ。

　そして実用性。大柄な男性も無理なく座れる後席を持つアンリミテッドは、家族や仲間とのロングドライブでも十分な仕事をこなす。右ハンドルの場合、左側の足元空間がミッションに浸食され、ペダル段差も大きいのが気になる点だが、それも慣れで解決する。見た目から連想するより、運転しやすいことは確かだ。

硬派なクロカン乗りも納得の悪路走破性

　現代のラングラーを象徴するのは、挙動安定メカのESPやトラクションコントロール、そしてヒルスタートアシスト（スポーツ&サハラに標準）の搭載。セーフティ&イージーの能力が見違えるほど強化された。

　だが、より際立つのは、悪路走破のために鍛えたメカ。代表モデルはルビコンで、絶大なトラクション性能を生むロックトラックトランスファーやトゥルロックディファレンシャルで武装し、さらにフロントスウェイバーを解除してホイールストロークを拡大する機構や、ダナ44ヘビーデューティソリッドアクスルも標準で採用する。硬派なクロカン乗りなら、その違いがわかるはずだ。