【徹底紹介】アルファロメオ スパイダーのすべて

　アルファロメオ スパイダー

品質感の高いマテリアルを巧みに用いてプレミアム性とスポーツカーらしさを演出

　兄弟車のブレラは2＋2キャビンを持つが、スパイダーは2シーター。余裕ができたキャビン後方スペースに、幌を収めるパッケージを採用する。シート後方に左右独立のロールバーと、そこから連なるバルジをデザインするなど、ルックスは先代よりグッとスポーティになった。

　だが、ヒップ&アイポイントはスポーツカーとしては高めで、コックピットに身を収めた印象はどことなく乗用車的。そこに、159とプラットフォームを統一した影響が見える。

　とはいえ、特徴的な3連デザインのサブメーターと空調ベントが、センターにずらりとならぶインパネはムード満点。アルミ加飾をふんだんに採用し、本革シートを標準化する（上級モデルはポルトローナフラウ社製）など、新世代アルファの内装は質感、仕立てとも一級品だから、プレミアム感も申し分なしだ。

　ちなみに、2.2JTSセレスピード、3.2JTS Q4・Qトロニックとも、設定は右ハンドルのみ。両モデルとも、左ハンドルの6速MT車はカスタマイズドオーダープログラムで対応している。納期は4〜6カ月というが、こだわりのマニアをも切り捨てない姿勢には好感が持てる。

高剛性を誇るシャシーと進化したパワートレーン

　今は昔の話だが、少し前までのフィアットグループはGMと提携関係にあった。159／ブレラ／スパイダーはその時代に開発されたモデルで、土台となる“プレミアムフロアパネル”は、GM系のFFベース高級モデルの多くに採用する計画で開発されたもの。それだけに、気合いの入った高度な設計を特徴とする。

　サスはフロントがダブルウィッシュボーン式、リヤがマルチリンク式。オープンボディを持つスパイダーにおいても、高いボディ剛性を確保している。また新世代Q4は、メカの核としてトルセンC型センターデフを採用。前43対後57の駆動力配分として、ハンドリング性能にも優れたフルタイム4WDに仕立てている。