【徹底紹介】ミニのすべて

　ミニ

運転の楽しさと居心地のよさが同居するMINIのコクピット

　ルーフを除く外板のすべてを一新した第2世代MINIだが、プラットフォームは先代の進化版。ホイールベースやトレッドの寸法は共通で、基本パッケージは踏襲されている。国産スモールのなかには大人4人が快適に座れるキャビンを備えるモデルも存在するが、MINIはあくまでも前席優先。大柄な人が前席に座る場合は、後席は子供用か、短時間ユースと割り切る必要がある。

　とはいえ、効率や実用性だけでパッケージを評価するのは無粋。なにしろMINIのコクピットは、運転という行為をエンターテイメントに変える空間として設計されているのだから。低重心を自然と意識する低い位置にセットされた運転席に腰を下ろし、ステアリング奥に構えるタコメーターに目をやれば、瞬間的に走り心に灯がともる。超大径センターメーターや、往年のレーシングカーを彷彿とさせるトグルスイッチもムードを高めるカギで、とにかくMINIは乗員を退屈させない。

　そして、気を抜いて運転したいときに心地よく感じるのは、立ったフロントスクリーンが生む大きな前方空間。前席に限って言えば広さ、開放感は十分満足できる領域にある。

ハイテク化を推し進めて操る楽しさを進化・熟成

　シャシー技術の大きな変更点は、電動油圧式から電動式に一新されたパワステ。効率改善や軽量化はもちろん、操舵アシストとスロットル特性を連携させて可変制御するスポーツボタン（オプション）を導入するなど、新たな「操る歓び」を追求している点も見逃すことはできない。

　またクーパーSが積む過給機付きユニットは、スーパーチャージャーから「直噴＋ツインスクロールターボ」に発展。163馬力／22.3kg mから175馬力／24.5kg mに性能を高めただけでなく、実用域の力感やレスポンス、燃費も改善したのだから文句をつけるところはない。