操安性や走りの質感を大幅に向上させたカギはボディ。なんとネジレ剛性はクーペで31%増し、コンバーチブルで約2倍にまで強化されているのだ、プラットフォームを一新し、クーペと紺コンバーチブルを同時に開発した効果がよく表れている。
さらに、ATを4速から5速にバージョンアップし、V8に3バルブ、VCT(可変バルブタイミング機構)を導入、V6ユニットを一新するなど、新型ではハイテク化が一気に加速したイメージがある。
にもかかわらずリヤのリジットサスを踏襲したのは、もちろん目的があってのこと。昔ながらのアメリカの走り屋、そしてチューニング屋はストロークをしてもキャンバー(タイヤトレッド面と路面の接地角)やトーの角度が変化しないリジットサスを好む傾向が強いのだ。熱狂的なファンに支えられるマスタングだからこそ、その要望を重視したわけ。
でも、流用ではなく、リンク配置は全面変更。先代は縦リンクのみの4リンク式だが、新型はパナールロッドで横の動きを規制し、トルクコントロールアームでデフケースを支持する新設計の3リンク式を採用した。あわせてワイドトレッド化も実施。V8GTはフロントに加えて、リヤにもスタビライザーを標準装備する。 |