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ルノー カングー |
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ルノー カングー |
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心をホッと解きほぐすやさしい乗り味が魅力 |
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1.4Lの時代は少し力不足の印象で、高速走行や峠道の上りではガマンを強いることもあったカングー。しかし、1.6Lになってからは動力性能に文句の付けどころはなく、どんな場面でも十分に力強く、軽やかな走りを楽しませてくれる。特大のラゲッジにいっぱいの荷物を詰め込んだとしても、息を切らせるようなことはない。
そこで印象をさらによくするのはエンジンの上質さ。回転フィールが滑らかで、サウンドも軽快ですっきりとしているから、少し回転を上げ気味にして元気な走りを楽しんでもまるで苦にならないのだ。その気になれば、高速の追い越し車線をリードするような走りだってできてしまう。前面投影面積(空気抵抗)の大きさを考えれば、これは立派なことだ。
さらに、意外に思うかも知れないが、操縦安定性の実力もかなり高い。必要以上に足を締めていないため、コーナーでは正直にロールを許すタイプだが、そんな場面でもちゃんと抑えは効いている。「くらっ」とだらしなく傾いたりはせず、「じわっ」と傾き、自然かつリニアな反応を示すから、自信を持ってコーナーに飛び込むことができるわけ。スローにしつけられたステアリング、穏やかな性格を持つタイヤもカングーのキャラに合ったもので、トータルで安心感のある走りを構築している。
また、貨客兼用の成り立ちを考えれば、乗り心地のよさも特筆できるポイントだ。さすがに荷室からのロードノイズの侵入は大きめだが、しなやかにストロークするサスが生み出す乗り心地は快適そのもの。低速域でもゴツゴツ感を伝えず、高速域ではふわつきを抑えた絶妙のセッティングが光る。
背高・箱形のボディの印象から、商用車然としたゴツゴツ、ブルブルの乗り味を連想する人が多いだろうが、そんな常識はカングーのようなよくできたフランス車には通用しないということ。もちろん、重い荷物を積み込んでも腰砕けになることはない。むしろ、過酷なシーンになるほど、実力の高さを思い知らされるだろう。
加えて、広く、開放的なキャビンがもたらす心理的な影響もプラス方向に作用。自然と心を解きほぐす多彩な才能を持つカングーは、いつ、どこで乗っても気持ちよく運転ができるクルマだ。前席と比べると乗り味はやや硬めだが(とくに空荷の状態)、リヤシートのくつろぎ度も優れている。
そこで印象がだぶるのはシトロエンC6。こちらはフランスを代表する高級車で、見た目の印象は対極的だが……上質かつやさしい乗り味や、際立つデザイン性は共通項。「フランス車らしさ」にこだわるなら、カングーとC6は双璧の存在と言っていい。そうした意味でも魅力に富んだ1台だ。
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1.4L |
K7J型はボア79.5×ストローク70mmのオーバースクエア型で、ヘッドはSOHC2バルブ。スペックから想像できるように、約1.2トンの車重、4速ATとの組み合わせでは動力性能は及第点レベルにとどまる。とくに高速の伸びはもうひとつ。 |
1.6L |
79.5mmのボアをそのままに、ストロークを80.5mmに拡大して209ccを増量。ヘッドもDOHC4バルブ(ただしメガーヌなどが採用する吸気可変バルタイ機構はなし)に進化させ、性能を大幅に高めた。快適性、燃費を含めた高バランスが自慢。 |
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TYPE |
CAPASITY |
POWER |
TORQUE |
YEAR |
直4SOHC |
1389cc |
75PS/5500rpm |
11.9kgm/4250rpm |
02〜03 |
直4DOHC |
1598cc |
95PS/5000rpm |
15.1kgm/3750rpm |
03〜 |
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中古車情報 |
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豊富な選択肢から自分にあったモデルを見つけよう |
本国デビューから5年ほど遅れて日本へやってきたカングーは、現在ですでに10年選手という古株だ。それにも関わらず新車の売れ行きは好調で、中古車市場はそれなりに潤っているのが現状。物件を探すうえで整理しておきたいのが、1.4L(前期型)を選ぶか1.6L(後期型)を選ぶか、またMTなのかATなのか、バックドアが観音式なのかハッチバックなのかなど、グレードは少ないものの意外と頭を悩ませる部分が多い。探す前には、どのような用途でカングーを使うのか明確にしておく必要がある。人気車ゆえに極端な値落ちは少ないが、自分にあった物件をじっくりと探したい。 |
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ルノー認定中古車は、専門的な教育を受けたサービスマンが納車前に入念な整備を施した安心の車両。納車後は1年間走行距離無制限保証が受けられるほか、緊急時の全国90拠点での万全なサポートも頼もしい。 |
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まとめ |
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仏車伝統の合理性と快適性をパッケージした傑作車 |
07年フランクフルトショーでお披露目された2代目の3サイズは4.21×1.82×1.82mと大柄。「カングーよ、お前もか」の印象だが、欧州のトレンドを考慮すれば必然と言えるかも。でも1.8mを超える全幅は、日本市場ではネックになりそうな気がする。ということで、コンパクトで扱いやすいカングーが欲しいなら今がチャンス。レジャーユースの楽しさを重視するなら、オプションでパノラミックサンルーフが選択できる標準モデルがいい。そして、フレンチコンパクト伝統の合理性、おしゃれさをさりげなく表現したいなら、あえてガードモール類やドアミラーがブラックのオーセンティックを選ぶのがおもしろい。いずれにしても、カングーのある生活は楽しいこと間違いなし! |
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ブランドページ |
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