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ジャガー XJシリーズ |
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ジャガー XJシリーズ |
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INTERIOR & UTILITY & EQUIPMENT |
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クラフトマンシップを実感するインテリア |
天井も、ヒップポイント設定も低めで、乗車姿勢はまるでスポーティカーのよう。先代までのXJのドライビング感覚は独特のものだった。それは、上質な走りを楽しむためのドライバーズカーとしては歓迎すべき特徴でもあったが……後席の快適性も重視されるのがLセグメントサルーンの定め。X300の時代にロングホイールベース版も登場したが、それでもショーファードリブン市場でのXJの評判は芳しくなかった。
しかし、X350は後席レッグルームを125mm、ヘッドクリアランスを前席で25mm、後席で22mm拡大するなど居住性を大幅に改善。先代とは比べものにならないゆったり感や開放感を実現している。さらに、ヒップポイントを高め、ドア開口を拡大することで、乗降性も大きく改善。Sクラスや7シリーズに代表されるライバルたちと同じ土俵で勝負をすることができるようになった。
で、XJならではの魅力といえるのが、クラシックなムードを漂わせるインテリアデザイン。XJは新型でも変わらぬジャガーの世界を表現している。やさしく体を包み込むレザーシートや、インパネからセンターコンソールにかけて全面展開されるウッドパネルも目を引くポイントで、英国高級車ならではのクラフトマンシップを肌で感じることができる。
シートに腰を下ろし、ステアリングを握ると、自然とジェントルな運転へと導いてくれる。そんなXJの世界は健在だ。 |
ウッドとレザーを贅沢に使ったインテリアは英国高級車の伝統。XJシリーズも、バーウォールナットウッドトリムとレザーシートを全車に標準で装備する。さらに、V8NAユニット搭載車にはレザー/ウッドのコンビステアリングを採用し、コントラストパイピングを施したシート&ドアトリム(写真の仕様)をスーパーV8に標準、ほかのモデルにオプションで設定。レザーのカラーだけでも5色を用意する徹底ぶりで、こだわりのニーズにも応える。また、DVDナビシステム、前席パワーシート、電動調整式フットペダル、プレミアムサウンドシステム&電動リヤサンブラインド(XJ8
4.2以上)、4ゾーンオートエアコン(Lモデル)を設定するなど、快適装備もじつに充実している。 |
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(1)伝統の様式に則ったインテリアに相応しいのはやはりアナログ時計。デジタル式と比べると、時の流れがゆるやかに感じられるから不思議だ。(2)後席アームレストのリッドを開けると、カップホルダーと実用的なトレイが現れる。(3)上品なまなざしの丸型4灯ランプ。XJ3.0を除く全車にキセノンヘッドランプを標準装備。(4)小ぶりだが、ステイタス性はバッチリのフードエンブレム。(5)標準のタイヤサイズは235/50R18
97W。写真のエレガントな15スポーク・アルミホイールは“Tucana”と呼ばれるタイプ。過給機付き4.2L V8を積むXJRやスーパーV8には255/40R19サイズが標準だ。(6)狭いトランクも歴代XJの弱点だったが、X350はプラス62Lの470Lの容量を確保。深さはないが……奥行きのゆとりを生かせば使い勝手はいい。居住性に加えて積載性と、実用性を大きく改善しながら、5.7mの最小回転半径を保持したのもX350の見どころだ。 |
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BODY & SUSPENSION & TRANSMISSION |
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軽量・高剛性ボディが新XJの走りの核だ |
安全、環境、高性能、快適という時代のニーズを取り入れ、そのままのカタチでフルチェンジを行ったなら、XJの車重は2トンに迫るものになっていたはず。しかし、アルミモノコック構造を採用することでボディ重量を大幅に軽減。V8搭載車で約1.7トンと、先代X308と比べても軽いクルマに仕上げることに成功した。
そこでライバルを見れば、S350は1900kg、740iは1960kg、A8 3.2クワトロは1890kg。エンジン形式、駆動方式、装備内容の違いを考慮したとしても、XJの軽さは際立っている。なにしろ、同じ心臓を積むSタイプより軽量なのだから……。ライバルと比べて最大で250kgほども軽い車重が、加速性能、燃費(環境)性能、フットワークの面で、XJの大きなアドバンテージとなることは言うまでもない。
しかし、アルミボディにはうれしくない特徴もある。それは素材としての硬さ。単に鋼板と比べて振動を吸収しにくいだけでなく、伝わる振動がビリビリと響くように硬質に感じられるという、高級車のボディとしてはありがたくない特性を持っているのだ。
アウディA8に続くように、現行XJが電子制御エアサスを全車標準とした大きな理由がそこにある。XJの走りの伝統を支えてきたのは、やっぱりしなやかにストロークする猫足。その乗り味を継承するために、アルミボディとエアサスを組み合わせたのだ。
電制サスでおなじみの切り替えスイッチはなく、制御はすべてオート。走行状況や路面状況にあわせて瞬時に、減衰力やばね特性をきめ細かく自動調整している。高速走行時に車高を15mm下げて、安定性を高める機能も採用される。 |
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BODY |
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アウディA8がスペースフレーム構造を採用するのに対して、ジャガーはモノコック構造を選択。同じアルミボディでも流派が違う。要所にマグネシウム使ったこともあり、ホワイトボディ状態で約40%の重量を軽減。と同時にボディ剛性を約60%高めた。その効果は絶大だ。 |
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SUSPENSION |
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足まわりもフルチェンジ。前はハイマウントアッパーアーム、リヤはアッパーAアームのダブルウイッシュボーンに変わった。前後とも強固なサブフレームにマウントされる。で、これに組み合わされる電制サスのCATSも進化。X350は全車にエアスプリングを採用する。 |
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FRONT |
REAR |
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TRANSMISSION |
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X308の時点では5速だったが、X350はZF製6速ATを新搭載した。ただし、XJ40以来のJゲートは踏襲。伝統にもこだわる。ちなみに、シフトレバー後方のスイッチは電気式パーキングブレーキ。高級車界のハイテクトレンドもきっちりトレースしているのがわかる。 |
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