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BMW X3 |
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ビー・エム・ダブリューX3 |
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INTERIOR & UTILITY & EQUIPMENT |
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SUVとワゴンのいいとこ取り |
序章で述べたように、見た目の印象や運転感覚よりも、大柄なボディを持つのがX3。ホイールベースなどはE46・3シリーズより70mmも長い設定だ。それだけに居住性は文句なしのレベル。180cm級の大柄な男性が前後に座る状況でも、後席足元に10cmほどの余裕が残るのだから能力は高い。
しかも、天井やアイポイントの設定が高めだから、開放感や見晴らしも良好。セダン、ワゴンからの乗り替えユーザーは、この見下ろし感覚の乗車感に新鮮な感動や魅力を見いだすことだろう。一度SUVやミニバンを経験すると、なかなかセダン系に戻れない大きな理由が“そこ”にあるわけだ。
それでいて、オフロード指向の本格SUVと比べれば、X3の全高やフロア高は低めに設定されている。つまり、乗降時にも「よっこらしょ」とならずにすみ、たとえ飛ばしたときでも、目線の高さからくる不安感に苛まれなくてすむというわけ。乗れば乗るほど、走れば走るほど、絶妙なパッケージに感心させられることになる。
なら、内装の質感は? 前期型のシンプルな造形は素っ気なさと表裏一体で、正直言ってプレミアム感が伝わりにくかった。が、05年のマイチェンで方向を修正。インパネ上下を分割するラインに加飾トリムを追加し、空調吹き出し口のつまみにクローム仕上げを施すとともに、樹脂類のしっとり感も改善。BMWに求められるクオリティをきちんとカタチにした。
ということで、現行X3は質感を含めて高い完成度を有する。また、480〜1560Lの容量を確保した荷室も使いやすく、レジャーユースでも存分に能力を発揮。3シリーズワゴンからの乗り替え派が多いのも納得できる。 |
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内装色はグレーのほかにブラックとサンドベージュを設定。またトリムは、標準のチタンライトのほか、3種のウッドとブラッシュドアルミが設定され、さまざまな組み合わせが楽しめる。現行型は前席パワーシートを全車に標準化。レザーシートは3.0siに標準、2.5siにオプションの設定だ。なお、MスポーツパッケージにはスポーツシートやMスポーツ・レザーステアリング、Mロゴ入りドアシルプレートなどが標準装備され、内装はグッとスポーティな仕立てとなる。 |
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(1)0.65m2の大開口を誇る電動パノラマサンルーフはオプション。リヤ側はチルトアップ式。(2)4つのメーターをシンプルに収めた2眼式。許容回転数7000rpmが“バルトロ”の証だ。(3)DVD式からHDD式に進化したナビ。6.5型モニターは格納式。(4)アームレストやアシストグリップの造形も隙がない。質感も○だ。(5)後席は60:40分割可倒式。定員乗車で480L、2人乗車で1560Lの容量を備え、アームレストスルーも装備する。(6)2.5Lは235/55R17、3Lは235/50R18サイズのオールシーズンタイヤを標準で履く。 |
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ENGINE & SUSPENSION & DRIVETRAIN |
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BMWならではのこだわりのメカ構成 |
X3自慢のxDriveは、FRベースの利点を生かした高度な電制4WD。まずは、基本駆動力配分を前40対後60の後ろ寄りとし、FRに近い素直な回頭性や上質な操舵感を追求したのがカギ。その上で、車輪空転などの状況に応じ、トランスファーに組み込んだ多板クラッチが前後配分を理想的に調整。SUVに求められるトラクション性能を確保している。
さらに、それをサポートするメカも充実。まずは、ADB-X(オートマチックデファレンシャルブレーキ)に注目。空転する車輪にブレーキをかける(当然、4輪独立制御)ことで駆動力の“抜け”を抑止するLSDと同様の働きをする。そして悪路の急坂や、滑りやすい雪道の降坂時は、ランドローバーとの蜜月時代の遺産といえるHDC(ヒルディセントコントロール)の出番。スイッチ操作1つで、5〜10km/hの安全な速度を保って坂を下ることができるのだから、ビギナーでも安心だ。
加えて後期型は、挙動安定化メカDSC(ダイナミックスタビリティコントロール)もより進化。坂道発進のずり下がりを防ぐスタートオフアシスタント機能、高速域からの制動で作動ラグを縮めるブレーキスタンバイ機能、雨天走行時の制動力を高めるブレーキドライ機能などを加え、安全と安心をさらにレベルアップさせた。 |
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ENGINE |
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心臓はBMWが誇る珠玉の直6。06年モデルで世代交代を行い、軽量・高剛性を誇るマグネシウム・アルミニウム複合材料製ブロックと、バルブトロニック採用ヘッドを組みあわせたN52ユニットが投入された。165kgのエンジン重量は、高度なバルブ機構を持つ6気筒としては驚きの軽さ!
車両の重量配分適正化にも貢献。 |
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SUSPENSION |
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セントラルアーム式のリヤサスを見れば、E46・3シリーズをベースに開発されたモデルであることがわかる。が、たんなる流用ではなく、フロントのストラットサスをシングルジョイント式からダブルジョイント式に変更するなど、根本から見直しを行っている。最低地上高は201mm。オフでもあなどれない力を発揮する。 |
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DRIVETRAIN |
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M54からN52への心臓の変更に合わせて、ステップトロニック付きATは5速から6速に進化。変速ラグを短縮するなど、一段と洗練度を高めた。xDriveの基本トルク配分は前40:後60で、状況に合わせて前0:後100〜前75:後25の範囲で素早く、的確に可変制御する。ADB-X、HDCなどサポートメカも充実! |
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