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クライスラー 300C |
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クライスラー 300C |
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INTERIOR & UTILITY &EQUIPMENT |
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くつろぎを満喫できる広く、快適なキャビン |
5010×1890×1490mmの3サイズは、ふた昔前ならインターミディエイト(中型)にランクされるものだが、現在のアメリカンセダンでは立派なフルサイズ。しかもホイールベースが3050mmと長いため、300Cのキャビンは広々としている。180cm級の乗員が運転席に座り、その後方に同様の体格の乗員が乗るケースでも足が組めるほどだ。
でも、コンフォートの決め手は単なる広さではない。高めの視点がもたらす見晴らしのよさ、乗員を包み込むようなやさしい掛け心地が魅力の大柄なシート、路面の凹凸や荒れをきれいに吸収するしなやかな乗り心地が渾然一体となって、アメリカン・フルサイズセダンに期待する大らかかつ快適な乗り味を生み出している。
高級感と機能性を高いレベルでバランスさせたインテリアの仕上がりも○。素材の質感、造り込みのレベルは未だ欧州プレミアムブランドやレクサスにはおよばないが、ひと昔前のアメリカ車のようなプラスチッキーな印象はなし。快適装備や便利装備も充実しているから、満足度はかなり高い。
ちなみに、導入時は左ハンドルだったが、現在の日本仕様の構成は全車右ハンドル。左ハンに標準の電動チルト&テレスコピックステアリングが、右ハン(オーストリア・グラーツ工場製)では手動チルト式に簡略化されている点が気になるぐらいで、不満といえる不満は見あたらない。ドラポジそのものは右ハンモデルも適正だ。
また、サイズや見た目から想像するより、ずっと取り回し性がいいのも隠れた魅力。高めの視点、見切りのいいスクエアなボディ形状、意外とよく切れるステアリングが運転しやすさの要点で、さらにリヤパークアシストも全車に備わる。「でかすぎる」と最初からビビらずに、勇気を持ってハンドルを握ってみるべき。強面のマスクからは想像もできないほど、300Cの本質はフレンドリーだ。 |
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前席電動調整&ヒーターつきレザーシート、HDDナビシステム(06年モデル以降)などの充実装備を日本仕様は標準化。レトロな書体を特徴とする4眼式メーターの盤面は、通常時はホワイトだが、ライト点灯時は淡いグリーン色に光る。大きめの径を持つハンドルのリムは、3.5がべっ甲調/本革、5.7が本木目/本革、SRT8が専用レザーの仕上げ。インパネセンターパネルは、サテン調シルバーの3.5&5.7に対して、SRT8はカーボン調を採用してレーシーなムードを演出する。 |
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(1)異形丸型4灯ランプと大型クロームラジエターグリルで構成されるマスクの押し出し感は抜群。ディスチャージヘッドランプ、ヘッドランプウォッシャー、前後フォグランプを全車標準化。(2)(3)(4)505Lの大容量に加えて、6対4分割可倒の本格トランクスルー機構を採用。トランクの使い勝手は優秀だ。床下右に配置したバッテリーは前後重量配分の適正化に貢献する。(5)この取っ手を引っ張ると、トランク内からリッドを開けられる仕組み。とじ込みトラブル防止機構の装備は、アメリカでは義務化されている。(6)「HEMI・C」のエンブレムは5.7L V8モデルの証。本国での車名はじつは、V6モデルが「300」、V8モデルが「300C」なのだ。(7)ボストンアコースティック製スピーカーを採用するプレミアムオーディオを標準装備。ステアリングスイッチも採用する。 |
上質な走り味を生む完成度の高いメカ |
アッパーアームを上方配置したダブルウイッシュボーン式フロントサスや、片側5本構成の本格マルチリンク式リヤサスは、メルセデスEクラスから移植されたもの。5速ATやラック&ピニオン式ステアリングも同様で、基本はメルセデスのメカで固められている。ただし、ホイールベースやトレッドはW210・Eクラスより大柄で(本国では07年モデルでロングホイールベース仕様を追加)、ゆとりあるフットプリントと重めの車重が、300Cならではの乗り味を生むポイントといえる。
もちろん、エンジンもクライスラーのオリジナルで、主役のV8は伝統のHEMIヘッドを採用。HEMI(ヘミ)はクロスフローの半球形燃焼室を示すもので、OHVが常識だった時代の高性能アメリカンV8を象徴するメカだ。
リミットは5.7Lが約5500回転、SRT8用6.1Lが6200回転。そこまでパワフルに、スムーズに吹け上がり、圧倒的パフォーマンスを発揮するのだから「OHV2バルブなんて古くさい」とナメてはいけない。メルセデス製ATとの相性も良好だ。
また、現代の高級セダンだから安全装備も当然のように充実。ESP(挙動安定化メカ)、カーテンエアバッグ、マルチステージ前席エアバッグ、衝撃感知オートロック解除などを標準で採用する。 |
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MDS |
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5.7L V8は、巡航などの低負荷時に4つの気筒を休止させて燃費を改善(最大で約20%アップの効果)するMDS(マルチ・ディスレースメント・システム)を採用。その作動はシームレスで、8気筒、4気筒の切替えは注意していないとわからないレベル。メカの完成度は高い。 |
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TRANSMISSION |
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初期型3.5Lを除く全車に、メルセデス製の5速ATを搭載。ティップシフトに相当するオートスティックも採用するから、MT風のシフトを楽しむことも可能だ。変速操作は右がアップ、左がダウン。ギヤ変速はゆっくりめで、高級セダンらしくスムーズさを優先させている。 |
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