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BMW 1シリーズ |
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ビー・エム・ダブリュー 1シリーズ |
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1.6L 直4 |
ボア84×ストローク72mmのオーバースクエア型。だが、軽快な回転フィールや、高回転のパワーの伸びをウリとするタイプではなく、基本は実用ベーシック機。6速ATが不足気味のトルクをカバーしている感じ。 |
2.0L 直4(118i) |
ストロークを90mmとして1995ccにまで排気量を拡大。さらに2L版には、BMWの伝家の宝刀であるバルブトロニックが採用され、バランスシャフトも組み込む。フラットトルクが生み出す走りの余裕が光る。 |
2.0L 直4(120i) |
2L N46B20Bの高出力版。129馬力仕様との明確な違いは、DISA(可変吸気システム)や4-2-1エキゾーストの採用にある。当然、バルブタイミング&リフトの設定も異なり、性格はグッとスポーティ。 |
3.0L 直6 |
可変バルタイのダブルVANOSに、可変バルブリフトのバルブトロニックを加えて高性能に磨きをかけたのが見どころ。さらに、先端素材の導入で軽量化も達成。世界が絶賛するBMWの新世代ストレート6だ。 |
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TYPE |
CAPACITY |
POWER |
TORQUE |
YEAR |
直列4気筒DOHC |
1596cc |
115ps/6000rpm |
15.3kgm/4300rpm |
04〜 |
直列4気筒DOHC |
1995cc |
129ps/5750rpm |
18.4kgm/3250rpm |
04〜 |
直列4気筒DOHC |
1995cc |
150ps/6200rpm |
20.4kgm/3600rpm |
04〜 |
直列6気筒DOHC |
2996cc |
265ps/6600rpm |
32.1kgm/2750rpm |
05〜 |
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●STANDARD |
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116i / 118i / 120i |
エンジン前端とサスタワーの位置関係を見れば、直4ユニットの重心が前車軸よりかなり後方にあることがわかる。118i・Mスポーツの車検証に記載された軸重は、前が700kg、後ろが680kg。理想の前後重量配分とノーズの軽さが、キレのいいフットワークの決め手だ。 |
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●130i |
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130i |
隔壁にめり込むように搭載するが、やはり直6ユニットは長く、前方の余裕は少なめだ。でも、前後軸重はMTで750/700kgと、51.7対48.3の配分はまだ理想の範疇に入る。秘密は軽いエンジン。マグ&アルミ合金をクランクケースに使うN52B30Aの重量はわずか161kg。 |
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素直な身のこなしがFRコンパクトの身上 |
E87とE90は基本メカの多くを共用するが、その動きや乗り味には明らかな違いがある。1シリーズで際立つのは、なんと言っても軽やかさや応答の素直さ。3シリーズのフットワークも冴えたものだが、1シリーズはより意のままに動く印象で、小ささや軽さが持つ重要な意味を教えてくれる。
もちろん、小さく、軽いだけではダメ。素性のいいFRの駆動方式、高剛性を誇るボディ、高度なサス、正確なステアリングなどが連携し、「軽快としっとり」、「スポーティと安心」を高次元でバランスさせた、1シリーズならではの走り味を生み出しているのだ。
そこで、持ち味の軽快感や素直さにこだわるなら、魅力がクッキリと浮かび上がるのは標準サス。正直言って、15mmローダウンのスポーツサスと17インチタイヤを組みあわせた「Mスポーツ」の乗り味は硬め。高速を飛ばしたときの安定性や安心感、峠道で見せるハンドリングの正確性や操る楽しさには目を見張るものがあるが、日常走行の軽快感や快適性は多少なりとも犠牲になっている感じだ。
その点、標準サスのしつけはよく、ランフラットタイヤ特有の硬さを抑えた乗り心地と、高度な操安性を両立させている。操舵力も「M」より軽く、日常域の走りもキビキビしているから、1シリーズに乗るうれしさ、気持ちよさをいつでも満喫できるに違いない。 |
※写真は一部本国仕様です |
中古車情報 |
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程度はほぼ問題なし狙い目は120i |
クルマそのものがまだデビューして日の浅いモデルだけに、中古市場をリサーチしても、出てくるのは新車に近いような物件や、程度のよさそうなものがほとんど。そういった意味では、1シリーズは中古車をターゲットにしやすいクルマだ。
その一方で、価格的なメリットはそれほど大きくないのもまた事実。そこで注目したいのが、新車価格からの落ち幅。すると、俄然うま味が増してくるのが、新車では少々割高感のあった120i。118iにくらべて装備が充実し、よりパワフルにもかかわらず、価格差はほとんどない。積極的に探していきたいモデルだ。 |
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認定中古車の名を定着させたパイオニア的な存在であるBMW。それだけに、品質管理や保証については必要にして十分以上の対策がとられている。1シリーズ自体が新しく、またほとんどのクルマがサービスフリーウェイなどの無料メンテナンスプログラムを受けていることを考えれば、その安心感は極めて高いといえる。 |
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まとめ |
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幅広い個性と魅力を揃えた充実の構成 |
日常ユースのコンパクトカーとして捉えるなら、性能は116iで不満なしだ。だが、上り坂や追い越しといった場面でのキックダウンは頻繁。そのときのノイズ上昇も大きめで、どうしてもゆとりの少なさが気になってしまう。
ということで、オールマイティな能力を求めるなら、ターゲットは2Lの118i以上。難しいのは「どちらの2Lか」の絞り込みだが、BMWらしいスポーティさ、上質さにこだわるなら迷わず120iだ。150馬力ユニットは鋭い応答性、心地いいパワーの伸び、澄んだサウンドを特徴とし、スペック差から想像する以上の快感の違いを提供してくれる。
しかも、ブレーキも118iよりひとまわり大径。すべての面で、ひとつ上の満足感をもたらす。次の難問である「標準か、“Mスポーツ”か?」は、自分の好みや、家族の要望などをしっかり把握したうえで選択すればいいだろう。
で、究極のコンパクトスポーツが欲しいなら130i・Mスポーツ。最高速250km/h(リミッター作動)、0→100km/h加速6.1秒(MT)の値は、ゴルフR32に勝るとも劣らない速さだ。
なお、07年ジュネーブショーではフェイスリフトモデルの発表を予定。待望の3ドアが加えられるという。その先を見ればE87の原型といえる「CS1」のコンセプトを継承する、オープンモデル追加のウワサもある。今後とも1シリーズから目が離せそうにない。 |
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