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BMW 1シリーズ |
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ビー・エム・ダブリュー 1シリーズ |
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INTERIOR&UTILITY&EQUIPMENT |
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高い実用性を備えた優秀なパッケージング |
コンパクトカー分野でFRがFFに駆逐された理由は、なんと言ってもパッケージ効率の違い。小柄なボディに有効なキャビン&ラゲッジ空間を確保しようとすれば、エンジン縦置きが大前提のFRは根本から不利で、パワートレーンをコンパクトにまとめられる横置きFFが圧倒的優位に立つ。
そうした常識に基づけば、ゴルフや147に近いボディサイズである1シリーズの実用性に大きな期待を抱くのは難しい。なぜなら、FRに加え、直6ユニットも収まるロングノーズという足かせまではめられているのだから……。
しかし、実際にシートに腰掛けてみれば、運転席では自然かつゆったりしたドラポジを取ることが可能。また、たとえ前後に180cmクラスの人が座る場合でも、後席はひざ回りで5cm、頭上高で3cmほどの余裕を残す。ミッションやプロペラシャフトを収めるフロアトンネルは大きめで、ライバルのFF勢と比べれば足元の開放感には明確な差があるが、大人4人が快適に過ごせることは確か。さすがにゴルフにはかなわないが、147とならいい勝負ができる。
ホイールベース短縮の関係で、E46・tiと比べるとキャビン長は少し圧縮されたが、ラゲッジ容量は逆に310〜1100Lから330〜1150Lへとアップ。BMWの末弟というと、街乗り中心のセカンドカーユースをイメージする人もいるだろうが、じつは家族ユースを前提としても十分な能力を持つのが1シリーズだ。
さらにクオリティの高さ、デザインの個性、装備の充実度も、最新BMWへの期待をけっして裏切らない仕上がり。「小さな高級車」の観点から捉えても、所有する歓びを十二分に提供してくれる。
なら、コンパクトカーの本分の扱いやすさは? ボディサイズだけでなく、5.1mの最小回転半径もゴルフと同等レベルにあり、狭い道や駐車場も苦手としない。E90で「3」がまた成長しただけに、取りまわしのよさがなおさら際立つ。 |
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シンプルなデザイン、洗練のムードを特徴とする1シリーズのインテリアには「機能美」のフレーズがピタリとはまる。人気の「Mスポーツ」は、専用クロス表皮採用のスポーツシート、極太グリップのMスポーツ・レザーステアリング、アルミコーディアック・シルバートリムを標準採用。スポーティムードで室内を統一する。なお、メイン内装色はブラックとグレーだが、ボストンレザーインテリア(130iは標準)には上品なベージュや、渋いハバナの内装色も設定される。メーターは、燃費や平均車速、外気温などを表示するオンボードコンピューターをセンターに配置するシンプルな2眼式。カーナビはもちろんHDD式で、電動格納式モニターのサイズは6.5インチだ。 |
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(1)「i Driveナビゲーション・パッケージ」は130iに標準、4気筒モデルにオプション。(2)電動格納&ヒーター機能は全車標準。(3)バイキセノンヘッドライトは「Mスポーツ」に標準、他モデルにオプション。(4)キドニーグリルの縦バーは4気筒モデルがブラック、130iがクローム。(5)シンプルなコンビランプはリヤフォグを内蔵。(6)「Mスポーツ」にはエアロパーツが標準。リヤバンパーもディフューザー風だ。(7)「Mスポーツ」に標準の前205/50・後225/45サイズの17インチシューズ。118&120iの標準サイズは205/55R16。(8)(9)(10)後席は6対4分割可倒のシングルフォールディング式。330〜1150Lの容量を確保。 |
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SUSPENTION&TRANSMISSION&SAFETY |
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上級車の流れを汲む高度なメカニズム |
BMWファミリーの中での1シリーズは、「3」の下にようやく誕生した末弟という位置づけ。しかし、成り立ちやメカの面から見れば……翌年に投入されたE90・3シリーズのパイロットモデルとしての重要な役割を果たした。
その証拠は、上級BMWの流れを汲む高度なサスペンション。さらなる走りのレベルアップを目指して開発された新世代プラットフォームは、弟E87から導入され、兄E90へと展開されたのだ。
E36時代のtiは、低コスト化を目的にひと世代前のE30のセミトレ式リヤサスを流用していたのだから、先祖との差は歴然。ボトムを担うモデルでも、設計やメカにいっさいの妥協をしていないのが1シリーズなのだ。FF勢や、それを土台とした4WDモデルも進化を続ける中、FRの強みを声高に主張するにはハンパなことはできない。そこに、「駆け抜ける歓び」を標榜するBMWならではのこだわりやプライドが見える。
なら、FRの強みとは? 前輪で駆動と操舵をまかなうFFは、トルクステアやアンダーステアなどのクセが強めに出がち。だが、操舵と駆動を前後輪で分担するFRのステアフィールは自然で、雑味がない。加えて、FRの利点を生かして前後50対50の重量配分を実現したことでコーナリングバランスも秀逸。走る、曲がる、止まるのすべての場面で、FFにはまねのできない快感を提供する。 |
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SUSPENTION |
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フロントはダブルジョイント・ロアアーム採用のストラット式、リヤは片側5リンク構成の本格マルチリンク式。E46までの3シリーズはフロントがシングルジョイント式、リヤが3本のアームで構成されるセントラルアーム式だったのだから、高度なメカニズム構成が光る! |
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TRANSMISSION |
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4気筒モデルは全車、ZF製ステップトロニック付き6速ATを搭載。最終減速比を含めて116/118/120iのギヤ比設定は共通だ。そして、130iは6速ATに加えて6速MTも選べる展開。軽く、滑らかなレバーの動きはBMWのMTならでは。シフト操作にも歓びがある。 |
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SAFETY |
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挙動安定化メカDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)やランフラットタイヤ&空気圧警告装置などの標準化で能動的安全性を確保。その上で前席、前席サイド、カーテンの6エアバッグに代表される受動的安全装備も充実、セーフティの砦をしっかりと固める。 |
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