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BMW 5シリーズ |
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ビー・エム・ダブリュー5シリーズ |
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INTERIOR&UTILITY&EQUIPMENT |
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パッケージを改善し後席の快適性を向上 |
イメージを一新したエクステリアについ目を奪われてしまうが、E39からE60への世代交代では、パッケージもきちんと見直された。そのキーポイントは、ライバルに対して劣勢にあった後席居住スペースの改善。ホイールベースの60mm拡大は“それ”が最大の理由で、後席足元空間は先代より46mm大された。同時に、わずかだが室内幅や頭上高も拡大。シートに腰かければ、5シリーズの快適性、居心地のよさがさらにレベルアップしたことがすぐに実感できる。
後席の快適レベルは、大切なゲストをもてなすクルマとしても満足のいくもの。それでいて、4855×1845×1470mmの3サイズ(E39比で全長を80mm、全幅を45mm、全高を35mm拡大)は、まだ“大きすぎ”はしない。3シリーズに比肩するドライバーズカーとしての資質と、7シリーズに迫る高級サルーンとしての資質をバランスさせた5シリーズは、今も変わらず「もっとも万能性の高いBMW」といえる存在だ。
また、近年のアウディやメルセデスほど装飾的デザイン演出をしていないため、パッと見の印象はシンプルだが、使用素材は吟味されたもの。とくにV8モデルやハイラインパッケージが採用する本革シート&トリムや木目パネルは上質な仕立てで、高級サルーンならではの優美かつ快適な世界に心地よく浸ることができる。
それとは対照的に、スポーティさや若々しさを求めるなら……5シリーズにはBMW定番のMスポーツパッケージがある。ブラック基調内装をベースに、前席スポーツシート、ピュアキューブ・アルミインテリアトリム、Mスポーツ・レザーステアリングを組みあわせたキャビンは、自然と走りのイメージを掻き立てる仕立てだ。
なお、DVD式からHDD式に進化したナビシステム(06年秋からFOMA対応に変更予定)は全車標準。ロータリー&プッシュ式iドライブコントローラーの操作には習熟が必要だが、快適&ハイテク装備の充実度は目を見張るほど。大きな満足を提供する。
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上段にシンプルな2眼式メーターとワイド画面のコントロールディスプレイ、下段に各種スイッチ類を配置した水平基調のデザインは、最新BMWに共通するインパネの眺め。そしてセンターコンソール部には、ステップトロニック付き6速ATのシフトレバーと、iDriveのロータリーコマンダーを配置している。写真は、高級感を際立たせたハイラインパッケージ。上質なダコタレザーのシート地やドアトリム、鏡面仕上げブラウンポプラウッドのインテリアトリム、電動リヤウインドウ・ローラーブラインドなどの豪華アイテムを標準装備する。 |
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(1)最大300m先までの歩行者や動物を捉え、夜間ドライブの安全性を高めるナイトビジョン(オプション)の赤外線カメラ。(2)電波式リモートコントロールキーやプッシュ式スターターを標準化。(3)運転席メモリー機能付き前席パワーシートも全車標準。(4)チルト&スライド式電動ガラスサンルーフは550i&545iやハイラインパッケージに標準、他モデルにオプション。(5)雨滴感知式オートワイパーのレインセンサー。ルームミラーはETC車載器内蔵型。(6)コロナリング付きの4灯式。バイキセノンヘッドライトを標準(前期型525i除く)、アダプティブヘッドライトをオプション(550iは標準)で搭載。(7)ヘッドランプのデザインを反復させた個性的な形状を採用。バックランプは小面積ながら十分な照度。 |
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ENGINE&BODY FRAME&SUSPENSION |
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BMWのハイテク路線を明確化した“E60” |
FRの駆動レイアウト、前ストラット/後インテグラルアーム式サスペンションという“基本”は5代目でも不変。しかし、E60でBMWは大きな技術的挑戦に打って出た。ひとつは、兄弟といえるE63・6シリーズにも展開されるスチール&アルミ複合ボディ構造。で、もうひとつは……シャシーメカニズムの積極的な電脳化。
Z4で導入の電動パワステは、E60ではアクティブステアリングに発展。これは、可変ギヤ比機構と可変アシストを組み合わせた画期的メカで、低速では「操舵比を速く、操舵力を軽く」の方向、高速では「操舵比を遅く、操舵力を重く」の方向にセットしている。
駐車時や交差点を曲がるときには、ハンドルは軽く、グイッと切れたほうが便利で扱いやすい。逆に、高速時には反応は鈍めで、操舵力も重いほうが安定性や安心感を高めやすい。そうした相反する要件を、これまでと違う領域で成立させるには「アクティブステアリングしかない」が、BMWの出した結論だ。加えて、V8上位モデルはアクティブスタビライザーも標準。BMWが目指す走りの世界は、明らかな変貌を遂げている。 |
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ENGINE |
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欧州ではディーゼルが勢力拡大中だが……日本仕様は直6&V8ガソリンの展開。05年6月に直6、同11月にV8を、バルブトロニック採用の新世代機にスイッチした。もうひとつの注目点は、後方に寄ったエンジン搭載位置。前後50対50の理想的な重量配分を実現するカギだ。 |
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BODY FRAME |
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熱膨張率の違い、異種金属の接触による腐食という難問を克服し、BMWは世界初のスチール&アルミニウム複合構造のホワイトボディを実用化! メカ、安全性、装備などの進化・充実で肥大化する一方の重量を、E39プラスαのレベルに止めることに成功した大きな要因だ。 |
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SUSPENSION |
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前はロアアームをダブルジョイント化したストラット式、リヤは本格マルチリンク構成のインテグラルアーム式。上級BMWが長年培ってきた成熟のサスを採用する。アルミ多用の軽量設計も大きな特徴だ。ちなみに、図は日本の“5”には設定のないxDrive(4駆)モデル。 |
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