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シトロエン クサラピカソ |
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インテリア |
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特大の窓と高めの視点が生む
バツグンの開放感がピカソの魅力 |
ザフィーラ、307SW、トゥーランのように、欧州Cセグメントミニバンにも3列シート車が存在するが……ピカソのシート配列はフロント2席+リヤ3席の5人乗り。独立スライド&脱着式の後席を採用する点を含めて、セニック式のアレンジをトレースする。
だが、クラス最大のホイールベース(先代セニックより160mmも長い)を持つだけに、後席の足もと空間は広々。さすがに大柄な男性だと3分割の後席は幅がやや小ぶりに感じられ、スライド後端時の頭上高の余裕も少なめになるが(アーチ状ルーフラインが要因)、総合的な空間のゆとりは間違いなくクラスを超えた領域にある。
そこで気持ちよさを加速させるのは低めのベルトラインがもたらす大きなガラスエリア、高めに設定されたアイポイント、そして全面ガラス張りのスカイルーフ。どこに座っても開放感は極めつけ! ピカソに乗ると、自然と心がウキウキしてくるのはそのためだ。
また、いわゆるインパネシフトと、フラットフロア設計(サイドブレーキレバーも運転席側にオフセット)を採用することで、前席サイドスルーに加えて、前後席ウォークスルーを実現した点も見逃せない。欧州ライバルに、使い勝手のよさで着実な差をつける。
次はドラポジ。着座位置は高めで、アップライトな姿勢が基本だが、シートハイト調整とチルトステアリングが備わるため違和感の少ないポジションを見つけることが可能だ。前方の見切りはよくないが……これはモノスペースデザインに共通の弱点。見晴らしのよさや、抜群の開放感の代償と考えれば、メリットのほうが大きい。標準シートはベロア地で、本革シートは12・6万円高のオプション。 |
メカニズム |
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定評のクサラをベースとした
手堅いメカニズムで身を固める |
フロントサスはL型ロアアームのストラット式。そしてリヤサスは、フランスのFF車が伝統としてきたトレーリングアーム式。クサラで定評のメカをベースに、ホイールベースの延長、車重の増加などにあわせた最適チューンを施すことで、シトロエンならではの快適な乗り味を追求している。
もうひとつの自慢は、欧州車ならではの充実したセーフティメカ。日本仕様のピカソは、デビュー時からESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム=挙動安定化メカ)を全車に標準装備。さらに、前席サイドエアバッグ、助手席エアバッグキャンセル機構、全席3点式シートベルト(前席はフォースリミッター&プリテンショナー付き)も全車標準だ。また、イモビライザーや盗難防止コード付きオーディオの装着など、セキュリティ対策も万全。 |
AUTOMATIC TRANSMISSION |
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●PSAとルノーが共同開発した電制4速ATのAL4を搭載。自動シフトは、あらかじめ設定された10種の変速パターンのなかから、状況に合わせて最適なパターンを選択。左側ゲートはマニュアルモードで、MT風のアクティブなシフトも可能だ。 |
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BODY |
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●横から見ると前後スタイルはほぼ対称。ミニバンの常識を覆す独創のフォルムを採用する。ロングホイールベース&ショートオーバーハングも大きな特徴で、これは優れた操縦安定性と快適な乗り心地に貢献。見た目の印象よりボディは軽く、車重はスカイルーフ付きでも1360kg。 |
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ユーティリティ&エクイップメント |
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日本仕様のピカソは、欧州での最高級グレードに位置するエクスクルーシブがベース。それだけに快適&便利装備は充実している。(1)ステアリングコラムからはえるレバーは右がオーディオリモコン、左がクルーズコントロール。どちらも全車標準! (2)未来的なインパネはDS時代からのシトロエンの伝統。ピカソはデジタル表示のセンターメーターを採用する。ドライブコンピューターも装備。(3)オートヘッドライトを標準装備。写真はそのセンサー部。(4)エアコンは花粉・粉塵フィルター付きのオートタイプ。(5)大面積を誇るスカイルーフはスライド開閉式(フロント部分)。“光”だけでなく“風”も肌で感じることができる。標準からオプション(10.5万円)に設定が変更されたが、代わりにバックソナーを標準化。(6)楽しいドライブを演出する便利なシートバックテーブル。子供が喜ぶこと請けあいだ。(7)大きなフロントクォーターウインドウは、造形上のアクセントであると同時に、パノラミックな視界を生み出すポイント。ドアミラーはデフォッガー(ヒーター)付きの電動格納式。(8)クサラ(後期型)とのDNAの共通性を感じさせる形状。急制動時に自動点灯するオートハザードランプを採用する。(9)タイヤサイズは185/65R15で、エレガントデザインのアルミホイールを標準装備。ちなみに、スペアはテンパータイプではなくフルサイズ。 |
ラゲッジルーム |
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才色兼備のピカソの自慢は
アレンジ自在のリヤ空間! |
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アーチ状のルーフや、強く傾斜したリヤウインドウが象徴するように、ピカソはスタイリッシュさにこだわったミニバンだ。でも、ミニバンの本分である実用性も、当然のようにおろそかにはしていない。見どころは、低いラゲッジフロアと小さなホイールハウス。これが功を奏して、定員乗車時でもLクラスワゴンに匹敵する550Lの大きな荷室容量を確保する。各席独立140mmのスライド機構を生かせば、スペースを一段と拡大することが可能だ。そして3席すべてをタンブルさせれば……長さ1448×幅1150×高さ907mm、容量1970Lのラゲッジが出現! さらにシートを外して容量を2128L(!!)にまで拡大することが可能だが、そこまでしなくても(労力とシート置き場が必要)大満足の収納力を発揮する。 |
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●後席は3分割の独立タイプ。写真左は、左と中央のシートバックを倒した状態。長尺物の収納に便利だ。そして写真中央は、3席すべてのシートバックを倒してクッションを引き起こした状態。これで1970Lの容量が確保できる。で、写真右は3席すべてを取り外した状態。なんと、2128Lの大容量を実現する! |
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●取り外して、キャリア付きバスケットとしても使えるモジュボックス。ただし、耐荷重は18kgの設定。 |
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●リヤフロアの高床式構造を生かして収納ボックスを左右に設置。子供の靴やおもちゃの収納に最適。 |
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