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ランドローバー ディスカバリー
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LAND ROVER DISCOVERY
ランドローバーは世界で唯一の4WD専門メーカーとして、その性能を極め
イギリス王室御用達を表す“ロイヤルワラント”を授かるに至った
そんなランドローバーの中核を成すディスカバリーの真の姿に今回は迫る
LAND ROVER DISCOVERY
より身近に感じられるようになったCクラス だが、中身と実力はメルセデスの名にふさわしい
写真●内藤敬仁 文●森野恭行/GooWORLD 撮影協力●ランドローバージャパン TEL:0120-18-5568
LAND ROVER DISCOVERY LAND ROVER DISCOVERY
変わり映えがしない!?2代目の外観は確信犯
 アメリカのジープ、日本のランドクルーザーと並び称されるクロカン(クロスカントリー4WD)界の老舗ブランド……それがイギリスのランドローバーだ。現行ディフェンダーの“原型”が発表されたのは……今を遡ること57年前の1948年。以来“本物”のクロカンを造り続けることで、実績と信頼を積み重ねてきた。
 なかでも象徴的な存在は、70年投入のレンジローバー。作業車、探検車、軍用車……悪路専門の働くクルマの“枠”から抜け出せなかったクロカンに、快適性や運転のしやすさという、乗用車的な開発思想を初めてプラスしたのが初代レンジ。それは、都会の風景やシックな服装ともマッチする、初めてのクロカンでもあった。
 つまり、クロカンからSUVと名を変え、多くの人に愛され、親しまれるようになった今のSUVの源流にあるのは……レンジローバー。ランドローバーの豊かな発想と高い技術力が、クロカンの新しい世界を切り開いたわけだ。
 そして、レンジローバーは世界の4駆乗りの憧れの存在になる。だが、ネックは高価なプライス。年月を重ねるごとに豪華になったレンジは、いつしか「4駆のロールスロイス」の異名を取る高級車に。自分のものにするには、相応の財力と覚悟が必要とされた。
 で、そこに目を付けたのが日本メーカー。パジェロ、ビッグホーン、プラド、サーフ、テラノ……と、レンジが指し示した現代的コンセプトを取り入れたクロカンを、リーズナブルなプライスで世界に供給。アッと言う間にひとつのマーケットを作り上げたのだ。
 となると、“本家”だって黙ってはいられない。89年、ニューフェイスのディスカバリーを投入して、より多くのファンを取り込む作戦に出た。そこでのランドローバーの見識は、ディスカバリーを単なる“プアマンズ・レンジ”にしなかったことだ。
 たとえばボディやメカ。ディスカバリーはリーズナブルな価格をウリとするモデルだが、強靱なラダーフレームと軽量なアルミ合金パネルを組みあわせた凝ったボディの構造、そして伝統のローバーV8とフルタイム4WDメカを組み合わせたパワー&ドライブトレーンは、基本的にレンジローバーと共通。いっさいの手抜きはなく、弟分も“本物”を貫いたのだ。
 そのうえで、パッケージや内外装のデザイン・演出に工夫を凝らすことで、レンジとは違う世界観を具現したことも見逃せない。重厚感や気品が際立つレンジに乗ると、ついかしこまってしまうが、カジュアルなムードが漂うディスカバリーだと、乗員みんなの気持ちが解放的になり、自然とドライブはリラックスしたものに……。
 行動的ファミリーや4駆フリークから絶大な支持を集める理由は、冒険心を掻き立てる高度な走破性だけではない。家族や仲間の心をなごませ、日常の生活から休日の“小さな冒険”までをハッピーにしてしまう能力こそが、ディスカバリーのいちばんの才能だ。
 テールゲート以外のボディパネルを一新しながら、2代目が初代のイメージを忠実にトレースした内外装を採用した理由は“そこ”にある。機能美が漂う野性味あるルックスと、ルーミーなキャビンはディスカバリーのアイデンティティ。完成されたスタイルゆえに、変える必要がなかったのだ。
LAND ROVER DISCOVERY
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■04年モデル ランドローバー ディスカバリー
  HSE(4AT)主要諸元
全長×全幅×全高 4720×1890×1940mm
ホイールベース 2540mm
トレッド前/後 1540/1560mm
車両重量 2140kg
エンジン V型8気筒OHV
総排気量 3947cc
最高出力 185ps/4750rpm
最大トルク 34.7kgm/2600rpm
使用燃料・タンク容量 無鉛プレミアム・93L
サスペンション前後 リジット
ブレーキ前/後 Vディスク/ディスク
タイヤサイズ 255/55R18
MODEL HISTORY 変遷
1999.06
フルモデルチェンジ
初代がデビューしてから10年ぶりにフルモデルチェンジを行う。初代のコンセプトを活かしながら、中身は大幅にレベルアップ。最新の電子デバイスを手に入れ、さらに走行性能を向上させ本格派としての魅力がアップした。ラインアップは「V8i ES」「V8i XS plus」「V8i XS」の3グレードで、XSは5人乗り、それ以外は7人乗り仕様となる。
2000.10
限定モデル“V8i Edition 2000”
XSをベースに専用エンブレムを装着するなどしながら、400万円を切る価格設定をした限定車「V8iエディション2000」を50台限定で発売。
2001.06
エントリーモデル追加
新たなエントリーモデルとして「V8i S」を追加。主な仕様は、16インチアルミ、ファブリック・シート、ルーフレール・レス、5人乗りなどとなる。
2001.10
セダン一部改良
セダンのC180にハンズフリーテレフォン機能とISOFIX対応チャイルドシート固定機能を標準装備する。
2001.09
ニューラインアップ
ラインアップを、最上級グレードの「V8i ES」、カジュアルモデルの「V8i XS plus」、エントリーモデルの「V8i S」の3グレードとする。
2002.04
特別限定車“Sports Edition”
V8i Sをベースに専用アルミや専用スペア・ホイール・カバーを装備した限定車「スポーツ・エディション」を100台限定で発売。
2003.01
ビッグ・マイナーチェンジ
700カ所にも及ぶ変更、改良が加えられたニュー・ディスカバリーが発売。主な変更点は、フロントマスク、リヤライトまわりのデザイン変更、新インテリアカラー、新デザインのルーフバー、サスペンション、ブレーキの向上など。また、ラインアップは「HSE」と「SE」で、いずれも7人乗り仕様となる。
2003.05
特別限定車“Limited”
女性に優しい限定車「リミテッド」は、リヤ・パーク・ディスタンスやウインドウ・サンブラインドなどを特別装備し、150台の台数限定で発売。
2004.04
特別限定車“Sports Edition”“Royal Edition”
限定車「スポーツ・エディション」は、SEをベースに18インチアルミやキセノン・ヘッドランプ、専用スペア・ホイール・カバーなど、スポーティなエクステリアに仕上げた1台。200台の限定発売となる。一方の「ロイヤル・エディション」は、HSEをベースにHDDナビや本木目パネルなど、高級感を演出した1台。限定台数は50台。
2004.09
特別限定車“Limited”
SEをベースに16インチアルミやHDDナビを特別装備した限定車「リミテッド」を、90台限定で発売。
MINOR CHANGE
内外装と走りの洗練度を高めた後期モデル
 目を引くのはやはり、新型レンジローバー風に変身したヘッドランプ。併せてグリル、バンパーのデザインも変更することで、ルックスの洗練度に磨きをかけた。同時に、テールランプの被視認性向上(ターンシグナルをバンパー部からコンビランプ部へ移設)、シャシーのブラッシュアップなど……実質的な改良も実施。完成度を高めた。
NEW MODEL / Series 3
骨格からの大変身を遂げた3代目
ジャガーV8とフォードV6を搭載
 新型レンジの流れを汲むプレーンなスタイルが印象的な3代目。そのボディ構造は、伝統のフレーム式ではなく……ビルトインフレームを持つモノコック式。そして、心臓はジャガー製4.4L V8(299馬力)とフォード製4L V6(215馬力)、組み合わされるミッションは6速ATと、内容を一新しての登場だ。3サイズは4850×1920×1890mm、ホイールベースは一気に345mm伸びて2885mm(レンジとほぼ同寸)。もちろん、3列7人乗りキャビンを踏襲する。価格は568〜759万円。
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