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アウディ　A4

ボディバリエーション

AVANT

　A4のもう1つの主役はアバント。ワゴンに分類されるモデルだが……パッケージは実用一点張りではなく、スポーティさを漂わす美しいフォルムでまとめあげている。それがアウディアバントの流儀。「ワゴンライフをスマートに楽しみたい」という人のためのクルマだ。後席はシンプル操作のシングルフォールディング式で、荷室容量は定員乗車時440L、フル積載時1185L。セダンに準じた豊富なバリエーションがそろう。

CABRIOLET

　BMW3シリーズに対抗して、アウディがカブリオレを戦列に加えたのは80／90時代の91年。世代交代は01年に実現し、2代目A4ベースの現行型が送り出された。2645mmのホイールベースはセダンと共通で、キャビンはフル4シーター。3層構造の作りのいいソフトトップは、約30秒で開閉作業を終える全自動式だ。日本仕様（02年投入）のパワートレーンは2.4L V6＋CVT。快適クルーズも、スポーティな走りもお手のものだ。

NEW A4 DEBUT

エンジン、サスも大きく進化した新型A4

　ついに日本に上陸した新型A4。目を引くのはやはり、シングルフレームグリル採用の新世代マスクと、A3スポーツバックに似たテールランプだ。だが、クッキリしたショルダー下のキャラクターラインを見ればわかるように、じつは外板のほとんどが新作。さらに、サスにも大きな改良のメスを入れ、直4ターボを1.8Lから2L FSI、V6を3Lから3.2L FSI……と、クワトロモデルの心臓もスイッチ（FF用の2Lは継続）。「マイチェンではなく新型」とアウディはアピールする。なんと、S4も同時デビュー。セダン、アバントの全車が一気に新世代へと移行した。

インテリア

吟味された素材と入念な造り込みが
世界の“範”となる高級感を生み出す

　A4のインテリアは、仕立てのいい高級スーツやジャケットにたとえることができる。ドアを開け、シートに腰を降ろした瞬間に“いいクルマ”を実感でき、同時に気分がシャキッと引き締まる。まずは、端正なデザインに注目だ。
　ラインにも面構成にも破綻がなく、A4の内装はどこを見ても整然。で、造形の完成度を際立たせるのが、吟味された素材と「これでもか！」の造り込み。しっとり感ある樹脂類、深みある輝きを放つメッキやアルミパーツ、風合いのいいレザーやクロス……2代目は一段と高級感に磨きをかけた。
　それは工作精度も同様。極小のチリや上質なリッド類の開閉感、節度感のいいスイッチ類など、見て、触れて、操作する部分のすべてに、アウディの技術とこだわりが貫かれている。そんな“アウディワールド”を、ちょうどいいサイズに凝縮したのがA4なのだ。
　だが、そこで実用面に話を振ると、2代目になってもパッケージは誉められたレベルにはない。室内の広さはFRベースのBMW3やメルセデスCと同等。比較対象をFF・Dセグメントに変えると……居住性は明らかに見劣りがする。が、そんな頃合いのタイト感こそが、A4の魅力でもある。
　大柄な欧米人はいまだ「狭い」と注文をつけるが……多くの日本人にとってA4の広さ感は頃合い。ドライビングの集中力を切らさない緊張感と、長距離ドライブでも神経をすり減らさせないリラックス感が、絶妙にバランスされている。スポーティセダンとして見れば、これは大切なポイントだ。
　加えて、先代よりも後席の足もとが拡大されたから、2代目は大人4人での長距離ドライブもより快適にこなせるように。つまり、家族のクルマとしても、十分な能力と魅力を備えているのだ。

メカニズム

技術屋集団アウディの総力を結集した高度なメカニズム群

　フルタイム4WDのクワトロは、技術力をウリにするアウディの象徴。当然、A4にも積極展開される。A4以上の“縦置き”モデルが採用するのは、トルセン式センターデフ（機械式）を核とするメカ。基本トルク配分は前50対後50だが、状況に応じて前75対後25～前25対後75の範囲で調整。可変トルクスプリットが、高度な安定性とスポーティな操縦性を両立させるカギだ。
　そして駆動系といえば、2代目から導入されたマルチトロニックも見逃せない。基本はベルト式CVTだが、現在主流のトルコンではなく、多板クラッチを組みあわせたところがアウディのこだわり。CVTならではの滑らかな変速と高効率を追求する。
　最後はサス。A4は、高度なフロント4リンクサスをA8に続いて採用したモデルだが、2代目はトラペゾイダル（ダブルウイッシュボーン）式リヤサスの採用をFFモデルにも拡大。さらに能力向上をはかった。先代比で45％以上の剛性アップを実現したボディの進化にも注目！

MULTITRONIC
		●マルチトロニックが搭載されるのは、2.0と2.4（Sラインも含む）。アバント、カブリオレも同様。

QUATTRO
	●アウディ自慢のクワトロシステムは、1.8Tと3.0に搭載。クワトロには、5速ティップシフトが組み合わされる。

SUSPENSION
	●フロントサスは、軽量アルミ合金構造の4リンク（マルチリンク）を採用。従来型より8.5kg軽量化された。		●リヤサスもフロント同様、アルミ合金コンポーネント。またFF、クワトロともにダブルウイッシュボーン式となる。

エクイップメント

1つ1つの機能、パーツにもアウディのクオリティを貫く

　ベースの2.0を選んでも、ドアハンドルやサイドモールはカラードタイプで、アルミホイールも標準。そこが、318iやC180に対する明確な優位点だ。（1）カチッとしたレタリングがアウディらしいメーターは、多機能情報モニターをセンターに配置。（2）オーディオは6連装CDが標準。カーナビ機能をメインとするMMSを設定（V6モデルは標準）する。（3）高輝度が自慢のキセノンヘッドライトはV6モデルとSラインに標準。（4）前後フォグランプは全車標準。（5）トランク容量は445L。分割可倒シートバックを採用し、長尺物の収納にも対応する。（6）設定されるタイヤは15、16、17インチ。9スポークホイール＋235／45R17タイヤはSラインの専用装備だ。ちなみに、内容は04年モデルに準じたもの。

S-ライン

“スポーティ”という才能を
際立たせた特別なアウディ

　03年追加のSラインは……BMWの“Mスポーツ”に相当する仕様。A4の場合は、ダンパーとスプリングを適度に締め上げたスポーツサスを装着し、235／45R17タイヤをドッキング。ウリは、高い限界性能とダイレクト感を高めた操縦性だ。もちろん、17インチを履けばルックスもグッとスポーティに変身！　フルカラードバンパーに加えて、05年モデルからは前後、サイドのエアロパーツも標準化されたから、ドレスアップ派にもオススメのモデルだ。そのほか、キセノンヘッドランプ、本革＆クロス・スポーツシート、ディンプルタイプ本革巻きステアリング、マットアルミニウムパネルも標準。充実のスポーティ装備が光る。

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