新車試乗レポート
更新日:2018.11.14 / 掲載日:2016.07.21
ジャガー XE 20d Rスポーツ 試乗レポート
クリーンディーゼル搭載の小型ジャガー
BMWにMINI、そしてメルセデスの売れ方をみると、今の輸入車で旬なのはクリーンディーゼルだ。ガソリン車よりは少々高価ではあるが燃料コストの安さで十分に穴埋めができるうえ、トルクフルな走りや1回の給油での航続距離の長さなどメリットが大きいので人気がでるのも当然だろう。ジャガーもインジニウムと呼ぶ新開発のクリーンディーゼルを日本市場に投入して、XE、XF、Fペースなど幅広くラインアップすることになった。
今回はXEで試乗したが、さすが最新世代だけあって音や振動は極めて低く抑えられている。「今のディーゼルは昔と違ってうるさくない」というのは半ば常識になってきているが、それでもガソリンと比べればどうしても音・振動は大きめになるのは一般的。とくにアイドリング時、低回転で一定以上の負荷をかけた時などは苦しい部分ではある。ところがジャガーは、よく聞けばガソリン車と音質が違い、音量もわずかに大きいものの、ライバルよりもずっといい。アイドリング・ストップからの再始動時に少々粗さを感じることがあるが、ガソリン車でも同様なのでディーゼル特有のものとはいえない。
トルクの太さはさすがだ。1000回転でも十分に力強く一般的な走行では2000回転以上を使うことがほとんどないぐらい。高速巡航からのちょっとした加速でも、右足に少し力を込めるだけでレスポンスよくグイッと前に押し出される感覚が頼もしい。アクセルを深く踏みこんでエンジンを回すことの気持ちよさは、ガソリン・エンジンのほうが得意分野なのは明確。ジャガーのガソリン直噴ターボは、低回転域のトルクがそれなりに充実していて高回転までシャープに回るので選択は悩ましいだろう。高速ロングドライブが多いのならクリーン・ディーゼルを選ぶべきだが、ワインディングなどで楽しみたいならガソリン車に分があるはずだ。
文●石井昌道 写真●内藤敬仁
問い合わせ ジャガーコール TEL:0120-050-689
Detail Check
コックピット
コックピット
ダイヤル式のシフトセレクターは操作がしやすく、スッキリとした印象の見た目も気持ちいい。インテリアの質感は細部に至るまで高く、洗練された贅沢感がある。2眼式メーターはアナログ表示で、見やすくスポーティだ。
インテリア
インテリア
フロントシートは、適度なホールド感もあってスポーティな走りにも十分に対応する。スポーティさと優雅さが調和している室内はさすがジャガー。前後とも快適性は高い。
エンジン
エンジン
2L直4のディーゼルターボは、ジャガー・ランドローバーが自社開発している。低回転からレスポンスよくトルクを発揮する。
足まわり
足まわり
強いこだわりで開発されたという足まわり。路面の追従性が高く、気持ちのいいフィーリングを楽しめる。
主要諸元:ジャガー XE 20d Rスポーツ(8速AT)
全長×全幅×全高 | 4680×1850×1415mm |
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ホイールベース | 2835mm |
車両重量 | 1660kg |
エンジン | 直4DOHCディーゼルターボ |
総排気量 | 1999cc |
最高出力 | 180ps/4000rpm |
最大トルク | 43.8kg m/1750-2500rpm |
サスペンション前/後 | ダブルウィッシュボーン/インテグラルリンク |
ブレーキ前後 | Vディスク |
全国メーカー希望小売価格(発売 2015年6月)
XE 20d ピュア(8速AT) | 497万円 |
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XE 20d プレステージ(8速AT) | 535万円 |
XE 20d Rスポーツ(8速AT) | 549万円 |
Body Color
□ポラリスホワイト ■イタリアンレーシングレッド ■エボニーブラック ■アンモナイトグレイ ■ブリティッシュレーシンググリーン ■ブルーファイヤー ■ロジウムシルバー ■オデッセイレッド ■ダークサファイア ■クォーツサイト |