新車試乗レポート
更新日:2018.11.11 / 掲載日:2013.07.18

フォルクスワーゲン ザ・ビートルカブリオレ 試乗レポート

フォルクスワーゲン ザ・ビートルカブリオレ

ザ・ビートルの魅力を凝縮 カブリオレの出来には驚き!

オリジナルの時代から、ビートルのイメージリーダーとして華やかな魅力を放ってきた「カブリオレ」。新型ザ・ビートルとなって、異例の早さでリリースされたオープンモデルは、驚きの完成度を誇る。

 おしゃれなルックスと、気持ちいい走り味がウリのビートルにとって、オープンモデルは主役と言える存在。ザ・ビートルが、先代の「ニュー」よりもタイムラグを削ってカブリオレを市場投入したのは、「早くして」と願うファンが大勢いるからだ。

 そんなザ・ビートル・カブリオレの第一印象は、期待どおりのもの。チョップトップ風に変わったそのスタイルとソフトトップのバランスは考え抜かれたもので、オープンはもちろん、幌をかけた姿もファッショナブルな仕上がり。シリーズで唯一の標準装備となるリヤスポイラーも、魅力を添えるアイテムとなる。

 典型的なキャブフォワードパッケージで、天井も高かった先代と比べると、クローズド時のキャビンの開放感はスポイルされた印象だが、それは弱点ではなく魅力と捉えることもできる。オープンにしたときの「スコーン」とした頭上の抜け感や、解放感の高まりがより強調されるため、オープンの爽快感やありがたみがより体感しやすい。

 ちなみに、ソフトトップは6層構造の入念なつくりで、耐候性、遮音性ともにハイレベル。当然のようにフルオート式で、オープンで9.5秒、クローズドで11秒と、素早い開閉操作を実現しているのも自慢だ。

 なら、気になる走り味は?驚いたのは、ボディ剛性の低下が不可避なオープンにもかかわらず、ベース車以上にしっとりと上質な乗り心地を実現していること。荒れた路面においても衝撃吸収はマイルドで、ハードな走りにおいても高度なロードホールディングを維持する。

フォルクスワーゲン ザ・ビートルカブリオレ(背面)

 その秘密は、ハッチバックのトーションビーム式からマルチリンク(4リンク)式に格上げされたリヤサスペンション。重めになった上屋と、穏やかな特性を持つ16インチタイヤのコンビネーションも乗り心地にプラスに作用し、カブリオレ独特の抜群に心地のいい走りのテイストを生み出しているというわけだ。

 そうした表現をすると、快適一辺倒のゆる~い走りをイメージするかもしれないが、じつは操縦安定性の実力だって高い。動きは穏やかだが、操舵に対する反応はリニアで、高速レーンチェンジや峠のS字コーナーにおいてもつながりのいい挙動を示すから、安心してペースを上げることができる。スポーティ走行も十分楽しめる能力を備えているのだ。

 さらに、1.2L TSIの能力についても、改めて「やるじゃない」と感心させられた。ハッチバックより車重が100kgほども重くなっているのだが、発進・加速のもたつきはまるで気にならない。17・8kg mという1.8L並みのトルクを、低い回転域から発生しているところがカギで、数値から想像する以上のキビキビ感ある走りを提供してくれる。

 高速走行のゆとりや静粛性も満足できるレベルで、Sレンジを使えば峠道を気持ちよく飛ばすことも可能なのだから、あなどれない実力の持ち主と言っていい。シフトの滑らかさや変速の的確さを含めて、1.2L TSI+7速DSGの完成度はさらにレベルアップした印象がある。

 ちなみに、全幅1815mmと、意外なほどワイドなボディを持つザ・ビートルだが、先代「ニュー」と比べると車両感覚はつかみやすく、日常の扱いやすさが改善されているのも見逃せないところ。毎日を楽しくしてくれる、癒し系のおしゃれなクルマを探しているのなら、新型カブリオレは最有力の候補となる。

 オープンでより明瞭になるほんわかと快適な走り味は、一度味わったらクセになるもので、多くの熱狂的ファンを生み出すことは間違いない。

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フォルクスワーゲン ザ・ビートルカブリオレの価格相場

文●森野恭行 写真●GooWORLD
問い合せ フォルクスワーゲン カスタマーセンター TEL:0120-993-199

Detail Check

エクステリア

フォルクスワーゲン ザ・ビートルカブリオレ エクステリア

  • コックピット

    フォルクスワーゲン ザ・ビートルカブリオレ コックピット

  • コックピット

    インパネやステアリング、ドアトリムにボディ色パネルをあしらった「Designインテリア」を標準採用。おしゃれムードを強調している。また、多機能カーナビや前席シートヒーター、クルーズコントロールを標準化するなど、装備の充実度も高い。

  • インテリア

    フォルクスワーゲン ザ・ビートルカブリオレ インテリア

  • インテリア

    後席足元の余裕は少なくシートバックも立ち気味だが、大人4人でのドライブが可能な「フル4シーター」と呼べるスペースをきちんと確保。ブラックとベージュの2色がそろうレザーシートが標準だ。

  • ラゲッジスペース

    フォルクスワーゲン ザ・ビートルカブリオレ ラゲッジスペース

  • ラゲッジスペース

    先代プラス24Lの225Lの容量を持つ。トランクスルー機構もあり、十分な実用性を備える。

  • エンジン

    フォルクスワーゲン ザ・ビートルカブリオレ エンジン

  • エンジン

    1.2L TSIと7速DSGのコンビはハッチバックと共通。動力性能は必要にして十分なもの。

主要諸元:フォルクスワーゲン ザ・ビートルカブリオレ(7速AT・DSG)

全長×全幅×全高4270×1815×1485mm
ホイールベース2535mm
トレッド前/後1580/1545mm
車両重量1380kg
エンジン直4SOHCターボ
総排気量1197cc
最高出力105ps/5000rpm
最大トルク17.8kg m/1500-4100rpm
サスペンション前/後ストラット/4リンク
ブレーキ前/後Vディスク/ディスク
タイヤサイズ前後215/60R16

全国メーカー希望小売価格(発表・発売 2013年3月)

ザ・ビートルカブリオレ(7速AT・DSG)381万円

Body Color

 □キャンディホワイト トルネードレッド サターンイエロー デニムブルー
 ディープブラックパールエフェクト

オープンだからこそ最優先されたセーフティ

  • フォルクスワーゲン ザ・ビートルカブリオレ

  •  前席エアバッグ、頭部保護機能付きサイドエアバッグに加えて、万が一の横転に備えるロールオーバープロテクションシステムも装備する。車体の傾斜が一定の範囲を超え、センサーが横転の危険を感知すると、リヤシート後方に内蔵された2本のロールバーが瞬時に飛び出す仕組みだ。もちろん、Aピラーやフロントガラスの窓枠も補強されている。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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