新車試乗レポート
更新日:2020.04.03 / 掲載日:2013.10.17

フォード クーガ 試乗レポート

フォード クーガ

文●九島辰也 写真●GooWORLD 問い合わせ フォードお客様相談室 TEL:0120-125-175

アクティブなイメージでヨーロッパで人気を博したフォードのコンパクトSUVがフルモデルチェンジした!新型はダウンサイジングで燃費性能をアップしながらスポーティな走りと高品質を存分にアピールする。

 「ONE FORD ストラテジー」

 先日新型クーガの試乗会でそんな言葉が発せられた。生産拠点の集約、プラットフォームの共有化、生産効率のアップを図ることを目的としたスローガンだ。ガソリンエンジンやクリーンディーゼル、ハイブリッド云々と、複雑化する環境に対応する戦略である。VWでいうところのMQBといったところだ。新型ゴルフのフロア上部にある重要パーツをグループ内で共有するのと似ている。

 絞られた生産拠点は全部で4カ所。アメリカ、中国、ロシア、スペインで、ここから世界戦略車が生まれる。日本仕様はスペインのバレンシア工場が担当するそうだ。

 そしてその第一弾がフォーカスであり、第二弾がこのクーガとなる。クーガは2008年に誕生し、2010年から日本でも売り出されたSUVで、エスケープ消滅後エクスプローラーの弟分となった。アメリカでは、クーガをエスケープの名で販売し、ミドルサイズのフォード・エッジを含め3兄弟で展開中だ。

 新型クーガの目玉は、なんと言ってもやはりエンジンだろう。これまでの2.5L直5ターボは最新の1.6L直4ターボとなった。これはエクスプローラーに積まれる2LのECOブーストエンジンのスケールダウン版だ。サイズからすると2.5Lユニットは少々違和感があったがそれは解消された。

 それと同時に今回トランスミッションも5速ATから6速ATに進化した。多段化はそのまま省燃費につながるのだから当然といえば当然の措置。結果JC08モードという日本の燃費換算では、7.8km/Lから9.5km/Lへと飛躍的にのびた。

フォード クーガの燃費情報をご紹介

フォード クーガ  (背面)

 がしかし、マニュアル操作のスイッチはいただけない。エクスプローラーと同じ親指で操作するサム(親指)スイッチがシフトノブに付くのだが操作性に欠ける。小さいボディで小気味よく!とはいかないのが少々残念ではある。

 では、実際に走らした印象をお話しよう。まず、ドライバーズシートに座って感じるのは、座る位置がクルマの中央に近いこと。これはフロントピラーとの距離がありダッシュボードに奥行きが生まれることで感じる。いわゆるキャブフォワードというパッケージングで、現行エクスプローラーと同じだ。よって、ここに座るとガンガン走るというのではなく、ゆっくりおおらかに流すといった気分になる。

 とはいえ、エンジンのレスポンスはよく、走り出しから軽快にスッと前へ出る。低回転からトルクを発生させるターボが効率的に働いているからだ。1.6Lだが体感的には2L自然吸気並みといっていいだろう。ただ、トランスミッションをATモードのままにしておくとギヤがどんどん上がり燃費走行へ向かうため、中速領域での抑揚がない。この辺でもうひとつ「味」があってもよさそうだ。

 それでも「あの」サムスイッチを使ってワインディングをスポーティに走ると、足さばきはよくステアリング操作に対する俊敏な挙動とリヤサスの粘りはレベルが高いのがわかる。トルクベクタリングがアンダーステアをきれいに修正する。なるほど、フォーカスベースというメリットはここで顔を出すのか……。

 ところでクーガは、「キネティックデザイン」というのを前面に押し出している。キネティックはフォードが使うデザイン言語で、「動的」を表すもの。確かに、眺めていると“攻め”を感じさせる。このクラスとしては、十分にクオリティが高い。走りのパフォーマンスも納得の領域にあるといえるだろう。

Detail Check

  • コックピット

    フォード クーガ  コックピット

  • コックピット

    日本仕様のグレードは「タイタニアム」と「トレンド」の2つ。どちらもレザーのステアリングとシフトノブを持つ豪華装備モデルだ。ただ、デザインはあくまでもキネティックで、動的なイメージを醸し出している。

  • エンジン

    フォード クーガ  エンジン

  • エンジン

    これが今回の目玉ともいえる1.6L直4DOHC+ターボユニット。1600回転という低回転から最大トルクを発生させるので、とにかく扱いやすい。それに燃費も期待できそうだ。

  • インテリア

    フォード クーガ インテリア

  • インテリア

    シートはタイタニアムがフルレザー、トレンドがハーフレザーという設定。そして運転席と助手席どちらにも10方向の電動調整機能が付くとともにシートヒーターも装備される。クラス以上の充実装備。

  • ラゲッジスペース

    フォード クーガ ラゲッジスペース

  • ラゲッジスペース

    リヤにはパワーリフトゲートが備わる。足でセンサーに感知させて開くハンドフリー式はとても便利だ。リヤシートが60対40の分割可倒式なので、実用性も思いのほか高い。

主要諸元:フォード クーガ タイタニアム(6速AT)

全長×全幅×全高4540×1840×1705mm
ホイールベース2690mm
トレッド前/後1565/1565mm
車両重量1720kg
エンジン直4DOHCターボ
総排気量1595cc
最高出力182ps/5700rpm
最大トルク24.5kg m/1600-5000rpm
サスペンション前/後ストラット/マルチサスペンションアーム
ブレーキ前/後Vディスク/ディスク
タイヤサイズ前後235/50R18

全国メーカー希望小売価格(発売・発表 2013年6月・2013年9月)

クーガ トレンド(6速AT)340万円
クーガ タイタニアム(6速AT)385万円

BodyColor

 ジンジャーエール パンサーブラック フローズンホワイト ムーンダストシルバー

小排気量エンジンでさらに燃費効率をアップ

フォード クーガ

エコブーストはエクスプローラーにも積まれるフォードの高効率エンジンのこと。エクスプローラーでは2Lだったが、クーガでは1.6Lが採用されている。小さい排気量をターボで過給し排気量以上のパワーとトルクを出しながら軽量化と燃費を図る。プラントはスペインのバレンシア工場。ボルボやランドローバーも現在その供給を受けている。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ