新車試乗レポート
更新日:2018.11.14 / 掲載日:2017.08.17

ランドローバー ディスカバリー 試乗レポート

ランドローバー ディスカバリー

ランドローバー・ディスカバリーがフルモデルチェンジした。1989年の初代から数え5代目となる新型は、昨年ヨーロッパでデビューし、ついに日本上陸を果たした。その出来栄えはいかに!

無骨なディスカバリーが洗練されて都会的に変身

 新しくなったディスカバリー。スタイリングはこれまでの四角くて無骨なものとは趣を変え、ご覧のようにレンジローバーや同スポーツと同じ系統に仕上がった。それもそのはず、基本となるプラットフォームはレンジローバーと共有する。これまでのフレームをビルトインしたヘビーデューティなものから、モノコックへとスイッチ。ねらいはオンロード性能の向上と高いオフロード性能の保持。SUVニーズの強い昨今だが、要求されるのはオンロードでの快適な乗り心地や俊敏なハンドリング、そして身のこなしだ。

 ディスカバリーらしい個性も残っている。それはこれまで同様3列シートの7名乗車というパッケージング。スタジアム式なので、3列目でも着座位置を低くし前方が見えるように工夫されている。しかも、2、3列目のシートは、室内のスイッチで電動ホールドできるのは当然のこと、今回は携帯アプリを使って外から操作することも可能になった。

 さらにいうと、このアプリを使えば、クルマを置いてある場所、ドアロックやウィンドウ開閉の確認、車内の温度調節も行える。夏はエアコンをオンにして事前に車内を冷やしておくのもいいだろう。

 搭載するエンジンは、340馬力を発揮する3L V6スーパーチャージャーのガソリンエンジンと、同排気量で258馬力を発揮するV6ディーゼルターボが用意される。どちらも自社開発で、すでにジャガーを含めほかのモデルにも積まれる実績のあるユニットだ。

ランドローバー ディスカバリー

 そして、このディーゼルエンジンがじつによくできている。低速から太いトルクを発生させるため、スタートから力強い。最大トルク61.2kgmはどの回転域からも加速するといった感じだ。そのうえ静かで振動も少ないのがいい。とくに音に関してはクルマから降りてもガラガラ音はほぼ気にならなかった。これはエンジン自体もそうだが、ボンネット周辺の機密性の高さがうかがえる。渡河水深900mmというのも、そんなところと関係していることだろう。この数値はレンジローバーと同じで、ファミリー最大値でもある。

 といったプロファイルのクルマを実際に走らせてみた。すると乗り心地やハンドリングはやはりレンジローバー的。エアサスのセッティングがそうで、基本的にゴツゴツしたところは一切なく、かなり上質な乗り味を見せる。コーナリングでもキャビンをフラットに保とうとするためスピードはこれまで以上に高くなるはずだ。ロールはほとんど気にならない。

 また、ステアリングは正確で、緩くなくクイックすぎもしない。今回は試せていないが、これなら高速域でのレーンチェンジもスムースに行えそうだ。かつてレンジローバースポーツで時速200キロからのフルブレーキをテストしたことがあるが、このクルマもその領域にあることを匂わせる。安定した制動は堅牢なプラットフォームのなせるワザだ。

 そして忘れてならないのがこのクルマのオフロード性能。今回は雪のないスキー場のゲレンデを使って、オールテレイン・プログレス・コントロールとヒル・ディセント・コントロールを試した。その高い性能は言わずもがな。時速1キロ単位での精緻な制御に、このディスカバリーの真骨頂を再確認した。それに前後のアングルも見た目以上に稼いでいるので、轍なども気にならない。なるほど、見た目が都会的でもディスカバリーの名は健在である!と思えるテストドライブであった。

文●九島辰也 写真●GooWORLD
問い合わせ ランドローバーコール TEL:0120-18-5568

Detail Check

ランドローバー ディスカバリー

存在感のある堂々としたサイズ。だが、角の取れた優雅なスタイリングは、ひと目見てこれが「ディスカバリーだ」と認識させないだろう。

  • コックピット

    ランドローバー ディスカバリー(コックピット)

  • コックピット

    ステアリングホイールからしてレンジローバーとの共有パーツは多い。ただし、メーターは液晶でなくアナログ式。センターにはタッチスクリーン式10インチモニターを搭載。

  • インテリア

    ランドローバー ディスカバリー(インテリア)

  • インテリア

    シートはグレードを問わず、すべてウィンザーレザー仕様となる。運転席にはシートメモリーが標準装備され、上級のHSEラグジュアリーには、シートヒーターとクーラーが備わる贅沢ぶりだ。

  • エンジン

    ランドローバー ディスカバリー(エンジン)

  • エンジン

    エンジンは2種類。3L V6ターボのディーゼルと3L V6スーパーチャージャーのガソリンユニットがラインアップされる。ともにZF製8速ATと組み合わされる。

  • ラゲッジスペース

    ランドローバー ディスカバリー(ラゲッジスペース)

  • ラゲッジスペース

    標準装備は5人乗りで、オプションで3列目2名がけシートを搭載できる。2列目は3分割、3列目も2分割で畳め、フラットなカーゴスペースを作れるのも美点。

主要諸元:ランドローバー ディスカバリー HSE ディーゼル(8速AT)

全長×全幅×全高4970×2000×1890mm
ホイールベース2925mm
トレッド前/後1705/1700mm
車両重量2380kg
エンジンV6DOHCディーゼルターボ
総排気量2992cc
最高出力258ps/3750rpm
最大トルク61.2kg m/1750-2250rpm
サスペンション前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ前後Vディスク
タイヤサイズ前後255/55R20

全国メーカー希望小売価格(発売 2017年6月)

HSE ガソリン(8速AT)779万円
HSE ディーゼル(8速AT)799万円
HSE ラグジュアリー ガソリン(8速AT)881万円
HSE ラグジュアリー ディーゼル(8速AT)901万円

Body Color

 フジホワイト フィレンツェレッド サントリーニブラック
 モンタルチーノレッド ロワールブルー ナミブオレンジ
 エイントリーグリーン スコシアグレイ
※ほか9色。

デザインが洗練されてもオフロードスピリットは健在

  • デザインが洗練されてもオフロードスピリットは健在

  •  エアサスで車高を上げると、アプローチアングルは34度、ディパーチャーアングルは30度、そしてランプブレークオーバーアングルは27.5度にも上る。都会的になったデザインながら、この数値は立派だ。これなら従来型にも劣らないオフロード走行ができそうだ。渡河水深900mmもクラストップ級。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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