第3回目 躍進するボルボ

GooWORLD特集記事 [2016.08.04 UP]

絶えることのない情熱とこだわりが育む
新たなステージに入ったボルボセーフティ

自動運転システム
自動車技術の次なる一手は自動運転システム。現段階で完全なる自動運転を実装した車両は市販化されていないが、おそらく近い将来それが実現するはずだ。

前方の危険を察知し、ドライバーのブレーキ操作をアシストするシティセーフティの導入から今年で7年。いまでは歩行者やサイクリストを検知するなど、その進化は現在進行形だ。ボルボの最新安全技術をここで紹介しよう。

文●石井昌道

2020年までに死亡者ゼロを目指す

 3点式シートベルトを発明し、その有用性の高さを社会に広く普及させたいという願いからほかの自動車メーカーへも特許を無償で公開。スウェーデン国内では事故現場にいち早く駆けつけ、原因や損傷具合を検証し、実社会での安全性向上など、ボルボの安全神話は枚挙に暇がない。

 最近の日本は自動緊急ブレーキの普及が著しく、その点では世界をリードする市場だが、完全停止に対しての規制の扉を最初に開けたのも、じつは輸入車のボルボだった。その延長線上には自動運転があり、それは「利便性は高い反面、ドライバーが堕落する」という懸念をもつ国を、これは安全性を飛躍的に高めるための今後の必須項目なのだというボルボの説得力が功を奏した要因だろう。

 当初は前方車両への追突回避および被害軽減を図るシティセーフティだったが、その後歩行者を検知するヒューマンセーフティ、自転車検知のサイクリスト検知、センサーの進化によって暗い場所での検知機能が高まるなど着実に進化している。間もなく発売されるS90では鹿など大型四肢動物を検知する機能も盛り込まれる見込みだ。また自車が車線を逸脱しそうになったらステアリングを穏やかに修正するLKA(レーン・キーピング・エイド)など、部分的な自動運転は日々アップデートおよび新機能の発明が相次いでいる。

 もちろんほかのメーカーも力を入れ始めてはいるが、ボルボの強みは安全性へ対する志の高さに加え、古くは事故調査隊がデータ収集していたように、つねににリアルワールドを意識していること。最近は鹿よりも小さく、動きの予測がたてにくいカンガルーの検知技術を開発するため、オーストラリアで野生のカンガルーの行動を研究しているというのは一例だ。そして多くの機能を統合的に制御することでまずは事故を起こさないよう備え、それでも万が一のときには衝撃を最小限に抑えつつ、二次被害にも配慮するという二重三重に対策していることだ。

 2020年までに新世代ボルボ車が関わる事故死亡者をゼロにする「セーフティ・ビジョン2020」という取り組みは、当初は信じがたかったが、部分的な自動運転技術が磨かれ、衝突安全や予防安全と統合されてきた現在では高すぎる目標とは思えなくなってきた。安全技術は新たなステージに入ったのだ。

Profile
自動車ジャーナリスト 石井昌道

レースの参戦経験を持つ自動車ジャーナリスト。日々、国内外で行われるニューモデルのテストドライブへ精力的に赴き、ステアリングを握る。専門誌はもちろん、一般誌でも人気だ。

加速する自動運転化

AUTONOMOUS DRIVING
オートノマス ドライビング

2017年までに自動運転車両を実現
オートノマス ドライビング

 ひと昔前までクルマの自動運転は夢物語だった。しかし、それが実現するのは思いのほか早い時期になりそうだ。ボルボは2017年までに、100台の自動運転機能付き車両を一般ユーザー向けに提供する予定。スウェーデン運輸管理局、スウェーデン運輸庁、リンドホルメン・サイエンス・パーク、イエテボリ市、そしてボルボが一丸となりこのプロジェクトに取り組んでいる。

交差点での危険に対処

CITY SAFETY
シティセーフティ

最新世代では右折時の対向車を検知可能に
シティセーフティ

 革新的な自動ブレーキを盛り込んで話題となったシティセーフティ。その後、歩行者や自転車(サイクリスト)の検知や、薄暗い環境下での作動も可能になり、周囲の対象物を手広くカバー。そして最新世代では、右折時における対向車の動向を検知する機能を世界初採用したのがトピックだ。万一衝突の危険がある場合、自動ブレーキを作動させて衝突を回避・軽減する。

シティセーフティ
周囲の環境をモニタリングし、障害物などにヒットする危険があるとドライバーに警告音を鳴らして知らせる。
シティセーフティ
右折時の事故を予防する「インターセクションサポート」をはじめ、クルコン「ACC」、車線逸脱を警告する「レーンキーピングエイド」などXC90には14種類の技術を採用。
人とクルマだけでなく動物も守る

LARGE ANIMAL DETECTION
ラージ アニマル ディテクション

次世代モデルから採用される動物検知機能

 日本ではあまり経験が少ないかもしれないが、北米などではクルマと大型動物の衝突事故が数多く報告されている。とくに夜間などは突然飛び出てくる動物を避けるのは困難。そこでボルボは、次世代の技術として「ラージ アニマル ディテクション」を発表。この技術はドライバーと自然動物のどちらを保護する意味でも非常に有益。これはS90から採用される予定となっている。

ラージ アニマル ディテクション

ラージ アニマル ディテクション
この機能は昼間はもちろん、夜間の走行中でも大型動物を検知。ボルボが培ってきたセーフティ技術を活かし、悲惨な動物事故をも予防する。

基本のボディもレベルアップ

PASSIVE SAFETY
パッシブセーフティ

万一の事故の際でも乗員を守るボディ
パッシブセーフティ
ボルボの試験場にて交通事故を再現。このような度重なるテストが、ボルボの安全神話の礎となっている。

 「2020年までに、新しいボルボにおける事故死亡者や重傷者をゼロにする」という取り組みを実現するべく、新開発プラットフォーム「SPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)」を採用したXC90。ウルトラ高張力鋼板を多用することで、ボルボ史上もっとも安全なボディ構造を達成。今後登場するニューモデルも、おそらくこれに準じた技術が盛り込まれるはずだ。

パッシブセーフティ
試験の際に使われるダミー人形。ただ人の形ををしただけでなく、体重、骨格など本物の人体により近い構造を持つので、よりリアルな事故状況を再現する。
ACCIDENT INVESTIGATION

ボルボで起きた事故を調査隊が現場を確認

ボルボの事故調査隊

 1970年に発足されたボルボの事故調査隊。これはスウェーデンのイエテボリから半径100km以内で起こった、ボルボ車が関与した交通事故を警察や目撃者とともに事故内容を検証するという試み。現在まで4万件を越す事故を調査しており、それはクルマの開発に大いに活かされている。このデータはボルボセーフティセンターに集められ、「この事故はなぜ起きたか?」が、徹底的に検証されるのだ。

1

ソーシャルでシェアしよう!

お役立ちガイド

認定中古車という選択
認定中古車という選択 どのように乗られてきたかなどはなかなか知り得ないもの…メーカーが認定保証する中古車なら安心
残価ローンという選択
残価ローンという選択 数年後の車両の価格を予め決め、残りの金額を分割払いにするという仕組み、残価設定ローンを活用すれば月々の支払額をググッと…
輸入車ガイド
輸入車ガイド 中古車・新車情報、プロフィールや基本スペックなどのカタログ情報を掲載

Goo車検

ウェブで完結!Goo車検
ウェブで完結!Goo車検ご希望の場所まで引取&納車、お支払いもカードでかんたん決済!Goo車検はGooが提供する車検取次サービスです。