伝統的なスポーツカーのデザインテイストを現代風にアレンジ。センスのよさはさすがイタリア車だと思わせる。
人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるアルファ ロメオ ジュリエッタ レビュー評価をまとめます。
※各項目に対して10点満点評価。
ジュリエッタに乗っているひとのイメージを「こだわりがあって自分の世界を持っているひと」と表現。ライフスタイルを演出できるクルマというお話でした。
自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
アルファ ロメオっていうブランドネームだけで、なんだか舞い上がっちゃって特別なクルマっていう感じがしちゃいますが、冷静に考えればCセグメントの5ドアハッチバックなんですよね。いわゆるかなりの台数が街中を走りまわる量販車なわけですが、そのなかでひとと同じはイヤ、個性を出したい!という方にはピッタリのチョイスだと思います。
全体的にアルファ ロメオの色気はあるし、デザインはさすがなんです。でもね・・・。質感が・・・。カーボン調仕上げなどが取り入れられていたりしますが、樹脂部分がどうにもプラスティッキーで・・・。ソフトパッドを使うとか、もう少し工夫がほしいところですね。装備内容としては、最新鋭モノは別として、必要にして十分なものが揃っているんですけどね。
初期のころに感じた自動変速MTのギクシャク感は、ランニングチェンジと共に払しょくされたようで、とても乗りやすかったですし、パワーも十分。ヘンなクセがないので、もの足りないというひともいるかもしれませんが、カテゴリーを考えても私はこの素直な味付けで正解!だと思います。不安感もまったくないので、ロングドライブ楽しんじゃってください。
普段からイタリア製の服飾品を数多く愛用している九島さんにとって、アルファはお気に入りのブランドのひとつ。ジュリエッタの洗練ぶりにご機嫌でした。
自動車ジャーナリスト 九島 辰也
●長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。
ジュリエッタという名前は、アルファ ロメオにとって新しい市場に挑戦するときに使われる。デザイン性と実用性を上手にミックスさせるというコンセプトも歴代モデルに繋がるところ。すなわち現代では、Cセグメントの5ドアハッチバックというわけ。これ1台でなんでもできてしまう万能性と、アルファに期待するスポーティさが上手にマッチしている。
アルファ ロメオは、ジュリエッタを開発するときにライバルとマーケットのニーズを非常によく研究している。日常的に使う装備にはなにも不満がないし、トランスミッションだってオートマ限定免許でも運転できるアルファTCTを独自で開発した。それでも退屈な感じがしないのが、インテリアにカーボン調が使われていたり、ちゃんとスポーティだからだ。
今回試乗して驚いたのが、想像以上に走りの実力が高かったこと。ちょっとした段差を乗り越えるときの衝撃のいなし方なんかも上手だし、ミッションの変速も自然。各部が洗練されていて、デイリーカーとしても快適に使えそうだ。マルチエアエンジンもよく出来ていて、1.4Lターボでもパワーに不満はなし。これなら1.7Lターボじゃなくても十分だ。
「一家に一台」というクルマ好きにとって、実用性と趣味性を両立してくれるジュリエッタは非常に魅力的な1台。中古車物件も多く、探しやすいのもいいところ。
輸入車を買う喜びは、ただいい道具を手に入れるというだけではありません。デザインやブランドの歴史も含めたストーリーを手に入れるという意味では、アルファロメオほど魅力的なブランドは数多くはないでしょう。また、今回登場したジュリエッタは、スポーツカーのようでいて、内容は実用的な5ドアハッチバック。男女問わずオススメできるモデルです。
かつてイタリア車はドイツ車と比べて装備や快適性については我慢が必要なところがありました。しかし、ジュリエッタはデュアルオートエアコンやカーナビといった、ユーザーにとって必需品と思われる装備はしっかり準備されています。また、右ハンドル+AT(デュアルクラッチ式MT)と敷居は低く、もうマニアだけの存在ではありません。
これ見よがしのスポーティさではなく、「能ある鷹は爪を隠す」的な走りを見せるジュリエッタ。日常的なシーンでは乗り心地がいいのに、コーナーが連続するようなシチュエーションではスイスイと曲がってくれるのも気持ちがいいです。このキャラクターは高性能版の1.7Lターボでも基本的には同様で、高速をハイペースで走るひとにはこちらがオススメです。
全長×全幅×全高 | 4350×1800×1460mm |
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ホイールベース | 2635mm |
車両重量 | 1400kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1368cc |
最高出力 | 170ps/5500rpm |
最大トルク | 23.5kg m/2250rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/マルチリンク |
ブレーキ前後 | ディスク |
120万円〜360万円(2012年〜2016年 ※全グレード) |
2012.02 | ニューモデル |
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2013.03 | 「スポルティーバ」を追加 |
2014.06 | 一部改良 |
2014.12 | 「クアドリフォリオ ヴェルデ」を改良 |
2016.10 | 一部改良 |
2017.02 | グレード名を「スーパー」、「スーパー パック スポーツ」、「ヴェローチェ」に変更 ←今回の中古車 |
※ナンバープレートはハメ込み合成です。