車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.10 / 掲載日:2017.03.23

【気になる中古車試乗判定】メルセデス・ベンツ SLK

メルセデス・ベンツ SLK

2014年式 MERCEDES-BENZ SLK

一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション!果たしてその結果やいかに!?

文●竹岡圭、九島辰也、GooWORLD 写真●GooWORLD

今月の中古車は メルセデス・ベンツ SLK

  • シンプルで上質さもある インテリア空間

    メルセデス・ベンツ SLK コックピット

  • シンプルで上質さもある インテリア空間

     インテリアのダッシュボードは、航空機の羽をイメージをしてデザイン。中央に液晶モニターを備える2眼式メーターやパドルシフト付きステアリング、そして力強さを感じさせるセンターコンソールがスポーティな雰囲気を高める。トランスミッションは7速ATの「7Gトロニックプラス」。

  • オープンドライブの快適性を 真剣に考えたSLKの装備

    メルセデス・ベンツ SLK 内装

  • オープンドライブの快適性を 真剣に考えたSLKの装備

     今回取材したモデルは中間グレードである「SLK200ブルーエフィシェンシー」で、ベーシックモデルに対して本革シートや首元を温めてくれるエアスカーフなどが装備される。トランク容量は、屋根の開閉状態によって202Lから312Lまで変化。二人ならば旅行にもいけるサイズだ。

  • 4気筒ターボエンジンは 十分な実力の持ち主

    メルセデス・ベンツ SLK エンジン

  • 4気筒ターボエンジンは 十分な実力の持ち主

     SLK200に搭載されるエンジンは、1.8L直4ターボ。184馬力の最高出力は7速ATとの協調によってスムーズかつ力強く車体を加速させる。このほか、306馬力を発生する3.5L V6エンジンを積むSLK350、そしてシリーズ最強の422馬力を搭載する5.5L V8エンジンの55 AMGが存在した。

  • 標準装備が充実しているのも魅力 メタルトップは電動で開閉

    メルセデス・ベンツ SLK 装備

  • 標準装備が充実しているのも魅力 メタルトップは電動で開閉

     充実した装備もSLKの魅力。ダッシュボード中央に埋め込まれた液晶モニターには、ナビゲーションをはじめ、エアコンや車両情報などが表示される。それらは手元のコントローラーで操作可能。自慢のバリオルーフにより、スイッチひとつで約20秒間でクーペからフルオープンになる。

メルセデス・ベンツ SLK 試乗判定レビュー

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

  • 自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

  • SLに代表されるオープンカーを長年製造してきたメルセデスのノウハウを集結。快適性とスポーツ性能を高次元で両立させているSLK。ボタンひとつでクーペからオープンに早変わり。

メタルトップの元祖!小さな高級オープンカー

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回は、メルセデス・ベンツのオープンスポーツカーであるSLKが登場です。お借りした車両は個人所有で2014年モデル、グレードは「SLK200ブルーエフィシェンシー」、走行距離は6万5000kmとなります。

九島●お、オープンカーとは今回の試乗車は春を先取りだ。

編集部●ありがとうございます。SLKの初代モデルが登場したのは1997年で、その後2004年に2代目が登場しました。今回お二人に試乗していただくSLKは、2011年から販売されている3代目の現行型となります。

竹岡●SLの弟分みたいな感じで初代が出て、だんだんとスポーティさを増してきた感じだよね。

九島●2代目までが女性オーナーの比率がかなり高かったこともあって、3代目はわりとマッチョに仕上げたってメルセデスは言ってたよ。

竹岡●なるほど!たしかに初代は可愛かった。ボディカラーも真っ赤とか真っ青のイメージがあったな~。SLだとちょっと気後れしちゃうけど、SLKはもう少し親近感があって、身近な存在なのかな。

編集部●メルセデスってオープンカーのラインアップが豊富ですよね。

九島●オープンカー多いよ。去年は「ドリームカーズ」ってキャンペーンをやったぐらい。SクラスとCクラスのカブリオレがあって、SL、そして2016年6月にSLKから名称を変更したSLCでしょ。さらにEクラスカブリオレもこれから登場するからね。

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

編集部●SLKと言えば、電動開閉式のバリオルーフも話題ですね。

九島●初代が出た当時は、バリオルーフを開け閉めしているだけで、ひとが寄ってきたよ。

竹岡●このウインドウ・ディフレクターの形、なんだか懐かしい感じ(笑)。ないよりは全然いいんだけど、飛ばすと風が巻き込んでくる。

九島●オープンカーっていうのは、ずっと開けて走るもんじゃないのよ。ウインドウ・ディフレクターがあれば、何も無いよりはマシなんだけど、走行中の車内は、車両の中央後方から前に向かって風が巻き込むから、髪の長い女性だと顔の前に髪の毛がへばりついてしまう。

竹岡●わかる!せっかくセットした髪がボサボサになるのが、女性にとっては辛いのよ。

九島●そこで僕がオススメする乗り方は、移動中はルーフを閉めて、目的地でオープンにすること。できれば夜がいい。頭上に満点の星空が広がるのは最高だよ。

竹岡●それだと日焼けしないしね。

編集部●勉強になります。さて、SLKに話を戻しますと、グレードは大きくわけると3つ、搭載されるエンジンによって数字が異なり、200と350、そして55AMGです。また、2013年には200に6速MT仕様が追加されたこともニュースになりました。

竹岡●350(3.5L)と55(5.5L)は名前が排気量を表して、200は1.8L 4気筒ターボなんだよね。

編集部●ありがとうございます。では、お二人には試乗をお願いします。



編集部●さて、試乗から帰ってきたお二人に感想を伺いましょう。

九島●初代SLKは、ルックスはスポーティに見えても、乗るとロールが大きくてそうでもなかった。それがモデルチェンジごとに走りがスポーティさを増してきて、この世代になると、普段の街乗りは快適で、速度域が上がったり、振りまわしたりすると走りが気持ちいいようになっていた。それはこのクルマの個性だと思ったね。

竹岡●本当に九島さんの言うとおりで、この時代のメルセデスは、いまみたいにアジリティ(敏捷性)を前面に押し出す前だったからということもあるけど、基本は昔っからのメルセデスのオープンカー。ゆったりしているところが、またいいのよ。

編集部●走行距離が6万kmを超えていますが、影響は感じましたか?

竹岡●ボディはちょっとやれてるかな。それから、九島さんがエンジンマウントじゃないかって言ってたけど、信号待ちで振動がブルブル伝わってきたのが気になった。

編集部●中古車市場を見ていると、価格的なボリュームゾーンは250万円~350万円ですが、走行距離はほとんどが3万km程度と低走行車中心でした。やはりセカンドカー的に使われていたクルマが多いのではないでしょうか。

九島●ほー。そうなんだ。それで新車価格のちょうど半分くらいだとすると納得かな。SLKはあんまり肩に力が入ってない感じでサラッと乗りこなすとカッコいいと思うよ。

竹岡●あまりひとを乗せない、自分専用車として使うのもオススメかな。

編集部●それはカッコイイですね。ありがとうございました。

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

メルセデス・ベンツ SLK レビュー評価

メルセデス・ベンツ SLK

  • メルセデス・ベンツ SLK

  • 6時の位置からスタートするメーターなど、各部のディテールにもスポーツカーの文法が取り入れられている。

人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるメルセデス・ベンツ SLK レビュー評価をまとめます。

※各項目に対して10点満点評価。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭のコメント

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭

SLKをスポーツカーとして捉えるユーザーが多いなか、パーソナルな移動手段としてもオススメと提案してくれた竹岡さん。なるほど、目から鱗のアイデアです。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

ポジショニング 9点

 セダンじゃないメルセデス・ベンツの先駆けになったモデルのひとつですよね。私としては初代のカワイイSLKのイメージが強いのですが、だんだんとスポーティ志向が増してきたのがこの3代目。とはいえボディサイズ的にも、女性が乗るにもちょうどいいし、ライフスタイルにピタリとはまると、ライバルを見つけるのが難しい貴重なクルマかも。

装備 10点

 エアスカーフ、シートヒーター等々、快適装備はテンコ盛りなのに、なんでエアコンがマニュアル!?なんていう違和感もあったりしましたが、あの個性的なウインドウディフレクター然り、必要な装備はぜーんぶ揃っています。ただひとつ、トランクのゲートが重すぎる!(笑)。最近のクルマにはあり得ない重さだったのが、ちょっと衝撃的でした。

走り 8点

 この個体はちょっとエンジンのシャッキリ感がなかったのですが、走行距離の少ない個体が多いらしいので、購入後は高回転域までブンまわしに出掛けた方がよさそう。ボディを含めたいろんなところの緩いヤレ感はちょっと気になりましたが、オープンカーですから許せるレベル。女性がセクレタリーカー的に颯爽と乗ると、かなりカッコイイと思います。

自動車ジャーナリスト 九島 辰也のコメント

自動車ジャーナリスト 九島 辰也

これまで個人的にも数多くのオープンカーを愛車にしてきた九島さん。そんな目から見ても今回のSLKはなかなか魅力的だったとのこと。

自動車ジャーナリスト 九島 辰也
●男性ファッション誌副編集長を経験するなど、ファッションにも造詣が深い自動車ジャーナリスト。プライベートでは、各国のクルマを乗り継ぐ。

ポジショニング 9点

 メルセデスにとってオープンカーは「夢のクルマ」にあたる存在で、SLは言わずもがな、歴代に魅力的なオープンカーを多数登場させてきた。20年前に初代が誕生したSLKにも、その歴史とノウハウがしっかりと継承されていることがわかる。それは、快適さとオープンドライブの高次元での両立だ。メタルトップの元祖というストーリーも魅力的。

装備 9点

 オープン時に首筋を温めてくれるエアスカーフなどオープンカーを知り尽くしているからこそ発想できる装備が充実している。バリオルーフのスイッチがおしゃれなカバーに収納されているのも、遊び心を感じさせてくれる仕掛けだ。屋根を開けていた状態でもエアコンはよく効くし、試乗車にはシートヒーターも装備されていて快適に走ることができた。

走り 8点

 モデルチェンジを重ねるごとにスポーツカーらしさを強調してきたSLKだが、この3代目はとくにルックスがマッチョさを増している。しかし、走らせてみると、街中でゆったりと流しているようなシーンでは快適そのもの。速度を上げたり、コーナーでステアリングを切り込むとスポーティさを見せるが、その二面性がメルセデスらしくて印象的だった。

GooWORLD編集部

1台でクーペとオープンカーの両方を味わえるSLKは、まさに輸入車らしい華やかな存在。中古車なら、こういった夢のあるクルマにも気軽に挑戦できますね。

ポジショニング 10点

 大人が乗ってサマになるオープンカー、しかも2シーターとなると、じつはけっこう選択肢はありません。しかも、普段はクーペスタイルでしれっと乗れるSLKは、「SLではちょっと気後れする・・・」というひとにも自信を持ってオススメできます。王道ブランドのメルセデス製でフル電動のメタルトップ付き、中古車価格も手が届く範囲とまさに買いの1台。

装備 9点

 新車当時は500万円で買えることを強調したベーシックモデルに注目が集まりましたが、じつは装備面では物足りなさがあったのも事実。しかし、実際に中古車市場に多いのは中間グレードで、その部分では安心できそうです。また、AMG製ホイールやエアロパーツを装備するAMGスポーツパッケージ装着車も数多く、こちらも注目の存在となります。

走り 9点

 3種類のエンジンをラインアップしていたSLKですが、中古車市場のほとんどが今回の試乗車と同じ1.8L直4ターボを搭載するSLK200。ターボのおかげで、クルージングからペースを上げての走行まで余裕で対応します。乗り心地も上質感があるので、パッセンジャーを乗せてのドライブもOK。バリオルーフでいつでもオープンが楽しめるのは魅力的です。

メルセデス・ベンツ SLK DETAIL CHECK

メルセデス・ベンツ SLK

メルセデス・ベンツ SLK200 ブルーエフィシェンシー(7速AT)

全長×全幅×全高4145×1845×1305mm
ホイールベース2430mm
車両重量1440kg
エンジン直4DOHCターボ
総排気量1795cc
最高出力184ps/5250rpm
最大トルク27.5kg m/4600rpm
サスペンション前/後3リンク/マルチリンク
ブレーキ前/後Vディスク/ディスク

中古車参考価格帯

215万円~540万円(2011年~2016年 ※AMGを除く)

モデル主要変遷(メルセデス・ベンツ SLK)

2011.07フルモデルチェンジ
2012.05SLK55 AMGを追加
2013.02SLK200ブルーエフィシェンシー MTを追加
2013.08ラインアップ整理
2014.08SLK200トレンド+、SLK200エクスクルーシブを追加 ←今回の中古車
2015.09一部改良

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

この記事はいかがでしたか?

気に入らない気に入った

グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

この人の記事を読む

img_backTop ページトップに戻る

ȥURL򥳥ԡޤ