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試乗レポート
PEUGEOT 1007
PEUGEOT 1007 プジョー1007
NEWCAR impression ■発表 2006・03
PEUGEOT 1007
両側電動スライドドアが象徴する独創性と爽やかイメージに注目
プジョー伝統のモデルネームは、3桁数字の中央に「0」を
置くこと。そのルールを超えた初のモデルが1007
2つの「0」は無限の可能性に挑戦するという表れだ
ヤングママにブレイクの予感
 両側電動スライドドアに着せ替え可能なカメレオ・コンセプトなど、1007はユニークなスモールコンパクトだ。説明を聞くまでもなく、実車を見ればプジョーの意欲がひしひしと伝わってくる。そして、全体のイメージから、ほのぼのとうれしくなったというのが、偽らざる第一印象だ。これなら、女性にモテることうけあい。それも、ひと目ボレというパターンが多いはずと、ターゲットユーザーに確かな手ごたえを感じた次第である。
 ラインアップは、1.4と1.6の2タイプで、自動5速2トロニックの右ハンドルのみ。価格は199〜229万円とリーズナブルで、1.6にはサンルーフ、ESP、盗難防止アラームがセットされたパッケージオプションが20万円で用意される。そこもまた魅力となれば、総合性能にも期待がかけられようというものだ。
 電動スライドドアを開け、上級感のあるシートに収まると、いざスタート。最初は5速2トロニックのオートモードで市街地を走ってみる。この種のミッションも進化していて、全体にスムーズになっている。ただ、デリケートなアクセルワークを要するときなど、若干の違和感をともなうのが残念。とはいいつつも、馴れてしまえば問題にはならないのかも。
 市街地での走りは軽快で、これならシティ派の女性には喜ばれることだろう。だが、そこまでで1.6の加速性能を語り尽くしたら、1007が嘆くはず。走れば走るほど、その加速性は引き立つからだ。フル加速時には、6250回転レッドのところ6500回転まで引っ張れる。吹き上がりは意外なほどスムーズで、小気味よい加速を見せるのだ。しかも、ステアリングのパドルシフトはレスポンスよくアップ/ダウンがキメられる。シフトレバーによるシーケンシャル操作以上となれば、スポーツフィールを十分に楽しむことができようというもの。
侮りがたい実力をもつ走行性能
 高速道路を走っても、1007は侮れない性能を発揮する。100km/hは5速3000、4速3750、3速4750回転で、アクセルを踏めば気持ちよく車速を伸ばす。市街地以上に活き活きと感じるのは、女性向きという先入観を持ったせいかも知れない。それにしても、エンジン音は高周波音だが、とくに耳障りではないのは遮音対策が成功しているからなのだろう。高速走行時に気になったのは、当日強めだった横風にハンドルを取られがちだったということ。
 フットワークは、見るべきものがある。乗り心地は意外にもフラット感があってなかなかのもの。2.8回転のパワステは、切り始めにクイック感があって、トータル的に素直なハンドリングを見せる。コーナリング時のロールが小さめで、ワインディングロードではけっこう速いときている。195/50R16インチタイヤを履くことを考えればうなずけるが、全体的に走りのよさは想定外によい、というのが正直な印象。
 スライドドアの事故がクローズアップされる昨今、運悪く子供がドアにはさまれたりたりはしないかと、気がかりな面がないわけではない。とはいえ、だれにでも抵抗感なく扱える使い勝手のよさや、何といってもファッショナブルなデザインを合わせ持つ1007は、総じて、十分に魅力的なモデルであるといえるだろう。
文●横越光廣 写真●菊池貴之
Detail Check
エクステリア
PEUGEOT 1007 ●ピニンファリーナ社とプジョースタイルセンターが協力してデザインされたのが1007。その結果、矢のように軽快スポーティな造形のアローライクフォルムが生まれた。プジョーのトレードマークともいえる猫科の動物をイメージさせる目(ランプ)と口(インテーク)を始め、躍動的で全体的におしゃれ。
PEUGEOT 1007 PEUGEOT 1007 PEUGEOT 1007 ●シングルコンパートメント構造により、ボディ剛性がアップ。全高も1630mmまで高められた。おかげでヘッドルームは広々。全幅とは80mm差なるもスタイルはグッド。
インテリア
PEUGEOT 1007 ●さすがにフランス車、シートは立派。クッションは快適で、上級感が漂う。唯一、リフターの操作性がいまひとつ。 PEUGEOT 1007 ●後席はヘッド/レッグルームともに余裕があり、左右分割スライド式。座り心地もよく、シアター式で視界良好。
コックピット
PEUGEOT 1007 ●インパネまわりは、機能的でファッショナブル。本革巻きの3本スポークステアリングは、リムが太くスポーティで、テレスコ&チルト機能付き。小さなスペースのなかで、うまくデザインされた3連メーターは見やすく、マインドをそそる。
ラゲッジスペース
PEUGEOT 1007 PEUGEOT 1007 ●荷室は標準時で178L、後席を最前方にスライドさせれば364Lへ。後席を折りたためば、最大1192Lに拡大。助手席バックレストが前方にたためるなど、使い勝手にも優れる。
エンジン
PEUGEOT 1007 ●1.4LはSOHCの74馬力/5400rpmだが、1.6LはDOHCで108馬力/5750rpm。アルミ製のクロスフロー16バルブヘッドをもち、高回転域までスムーズでトルクフル。2トロニック5速ギヤボックスとのマッチングもよい。
Body Color
タコマ・イエロー エーゲ・ブルー モンテベロ・ブルー
■オブシディアン・ブラック サラマンカ・オレンジ  アデン・レッド
※ほか5色あり
LOOK AT IT
PEUGEOT 1007
PEUGEOT 1007
PEUGEOT 1007
PEUGEOT 1007
 1007ならではのセールスポイントのひとつは、12色のインテリアを自由に交換できるカメレオ・コンセプト。エアコンの吹き出し口カバー、フェイシアパネルマット、ドアパネルカバー、前後のシート座面とバックカバー、リヤの収納スペース用カバーなどの全18品すべてが取り替え可能。ファッショナブルな1007をさらに自分好みに仕立てられる。
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