3代目のR172に進化したメルセデスSLK。見た瞬間に「格が上がったな」と感じたのは、全長と全幅を35mm、全高を5mm拡大した効果だけではない。最高速317km/h(リミッター作動時)の超性能を誇るスーパースポーツ、SLSの直系といえるアグレッシブなフロントスタイルが、サイズ以上の存在感と迫力を醸し出している要点だ。
ハイウェイにおいては、バックミラーで新型SLKを発見したドライバーがすぐに道を譲るほどだから、押し出し感は兄貴のSL並みか!? メルセデスを選ぶオーナーにとって、これは大きな加点ポイントになる。
また、マテリアルや作り込みのレベルを高めたコクピットも、SLKの成長を実感させるところで、プレミアム感は確実に高まった。
それでいて、新設定のSLK200スポーツは525万円。装備レベルがグッと上がるSLK200でも580万円の設定なのだから、思わず食指が動くファンは多いはず。じつは新型SLKは、いまだコンサバなメルセデスのイメージを「ダイナミック」へと変え、ユーザーの若返りを促進させるための重要な戦略モデルなのだ! 「30代、40代の会社員でも手が届く」を考えた戦略的な価格設定は、そこに理由がある。
それを知ると、SLKをグッと身近な存在に感じられるようになった人も多いだろう。なら、肝心の走りはどこまで進化したのだろうか?
今回上陸したのは、1.8L直4の直噴ターボに7速AT(7Gトロニックプラス)を組み合わせたSLK200ブルーエフィシェンシーと、新開発3.5L V6直噴に同様のATを組み合わせたSLK350ブルーエフィシェンシーの基本2タイプだ。
SLK200は、スーパーチャージャー採用の先代も十二分な動力性能を備えていたが、新型はそこに高い洗練度がプラスされた。待望のAT7速化の効果も大きく、全域の加速性能やスムーズさ、静粛性が向上したことを実感できる。184馬力と27.5kgmの心臓を持つR172は、正直「これで十分」の印象だ。
でも、バンク角を90度から60度に変えるなど、劇的進化を遂げた新世代V6を積むSLK350に乗ると、「やっぱりこっちがいいな」と自然に心が動かされてしまう。滑らかさと静かさ、高回転域の伸びのよさとパワフルさ(こちらの性能は306馬力/37.7kgm)で4気筒ターボに差をつけるのは当然として、サウンドの心地よさも光っている。
しかも、希薄燃焼を採用し、ECOスタートストップ機能を備えるため、燃費も良好だ。真夏日の試乗だったが、ECOモードでは停車中にかなりの頻度でエンジンがストップ。再始動が早く、使い勝手に優れるのも感心した点で、SLK200への早期導入を期待したいものだ。
なら、ハンドリングはどうだろう。V6のSLK350はビシッとした高速安定性、4気筒のSLK200は軽快なノーズの動きが印象に残るが、それ以上の相違を生むのはサスの仕様とタイヤ選択の違いだ。セーフティー性を重視し、ランフラットを選択した標準の17インチは、タイヤのあたりがやや硬質で、乗り心地のしっとり感やハンドリングのつながり感などに少々の不満が残る。
対して18インチ標準のAMGスポーツパッケージは、電制ダンパー採用のダイナミックハンドリングパッケージが組み合わされることもあり(スポーツを除く)、操縦安定性と乗り心地のバランス点が高い。スポーツ性とプレミアム感のどちらを重視する人にも、R172のAMG仕様は高い満足度を与えてくれる。
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