専用のブラックグリル&ヘッドランプを採用して精悍さを強調したボディに、ローダウンサス+20インチの足を組み合わせたスポーツGT Sの出で立ちは、まさにやる気満々の印象。「パナメーラやアストン・ラピードなどに負けてなるものか」という、超高級スポーツサルーンの草分けとしてのプライドがルックスにも表現されている。
特別な4.7L V8は、火を入れた瞬間に「フォワォーン!」と吼えて声高に存在を主張。早くも乗り手をマセラティワールドに引き込むが、そこはまだ序の口で、スポーツGT Sが本性をむき出しにするのはSPORTスイッチを押したあと。変化幅はベースモデル以上で、「オン」状態のGT Sは臨戦態勢といえるほど鋭いエンジンピックアップと変速スピードを実現している。
で、より以上に刺激的なのが、音量がグッと高まるエキゾーストノート。「クゥオーッ」、「ファオンッ」と響き渡る高周波サウンドは、血縁のあるフェラーリV8を連想させるもので、ブン回すたびにアドレナリンが吹き出すような興奮を味わわせてくれる。最高速285km/h、0→100km/h加速5.1秒とパフォーマンスも超一流だ。
そして、もうひとつの大きな喜びは、正確性に磨きをかけたハンドリング。タイトな峠道も攻めてみたが、2トンを超える巨体をまるで意識させない敏捷性を実現している。走りのテイストは「4ドアのフェラーリ」と呼びたくなるほど刺激的だ!低中速域でタイヤのあたりが硬めなのはその代償だが、荒っぽい印象はなし。前10mm/後25mmのローダウンサスに、フロントを中心にハードにセットした固定レート・ダンパーを組み合わせることを考えれば、乗り心地もうまくバランスさせている。GT Sを積極的に選ぶオーナーからは、少なくとも不満の声は出ないだろう。
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