エクスプローラーがかっこよくなった。写真を見ればわかるようにFBIの護衛車風だ。要人のリムジンの前後を囲むアレである。これまでシボレーばかり使われてきたが、これからはひょっとしてこいつの出番もあるかも知れない。
そんな風に見える要因は厳つい顔と真っ黒なボディだが、実際にサイズアップしたことも関係する。これまでギリギリ5mに満たないところで進化してきたが、今回はそれを破った。スリーサイズは全長5020×全幅2000×全高1805mm。本国ではミッドサイズSUVとなるエクスプローラーだが、日本の感覚だとフルサイズに値する。
ただ、不思議なことに実寸とは違って車高だけは落ちたように見える。全体的な比率が変わったのだが、デザイン的な視覚効果のせいだ。ボディサイドのショルダーラインが高まったことで車体が薄く見える。結果、これまでのワイルドなオフロード4WD車テイストは薄まりアーバンSUV的となった。
そして、それはハードウエアからも感じ取れることができる。なんと今回は既存のものをすべて拭い去り、乗用車ベースとして生まれ変わった。ラダーフレームのボディはモノコックとなり、エンジン縦置きのRWDベースから横置きのFWDベースとなる。また、サスペンションもすでに四輪独立懸架ではあったが、このクルマではリヤサスをマルチリンクにしている。つまり、まんま乗用車的乗り心地と機動力を再現したのだ。
目的はオンロード走行での快適性や操作性の向上。つまり、日常使いにおいて、より扱いやすいものとしてステップアップした。もちろん、その背景には、ここ数年アメリカの地で台頭するヨーロピアンSUVの存在がある。モノコックや4輪独立懸架サスを標準と考える彼らと対等に勝負するには、それに見合った武器が必要だ。ただ、ここで間違えてはならないのはエクスプローラーが残してきた功績。ヨーロッパ各社がこれからSUVを開発するとき、ベンチマークとしたのはエクスプローラーだったのだから……。なんたってこいつはアメリカにおいて大の人気者。90年代は年間40万台以上売れていたビッグセラーであった。
新型エクスプローラーのトピックスはエンジンルームにもある。なんと従来型4.6L V8エンジンがカタログから消え、3.5L V6ツインカムがメインとなったのだ。これはリンカーンMKXに積まれる309馬力の3.7Lを294馬力にディチューンしたものだろう。要するにマスタングとも兄弟ユニット。吸排気それぞれに可変バルブタイミングを持つことで、排気量以上にパワーを生み出すフォードグループイチ押しのエンジンだ。
ちなみに、このあと遅れてもうひとつ別のエンジンが追加されることも決まっている。それはなんと2L直4ターボの“エコブースト”と呼ばれるもの。この車体をどれだけ快適に走らすのか興味は募る。
では、V6搭載のモノコックボディを実際に走らせた印象だが、これが思いのほか軽快。直線からのブレーキング、そしてコーナー出口での加速感になんら不足は感じられない。ただ、カラダの大きさはそれなりなので、多少のコントロールは必要。ロールは比較的抑えられるが、ステアリング操作でしっかり荷重移動しないと揺り返しが起きる。とはいえ、本来そんな走りをするクルマじゃなく、高速移動が得意分野。その意味じゃ大きなシートに包まれての走りは快適そのもの。気分はアメリカ横断ロングドライブである。
|