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FIAT NEW PANDA 4×4 |
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■発表 2005・03 |
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懐かしのヨンクパンダが
さらに快適、高性能になって復活 |
フィアットのフレキシブルコンパクトカー“パンダ”に
機動性と乗り心地を両立した待望の4×4モデルが
こだわりの左ハンドル・MT仕様で追加された |
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アクティブなボディと
快適さを手に入れた |
パンダのヨンクが復活した。ジウジアーロ・デザインの初代にもあった4×4が、新型にもラインアップされたのだ。
車高を上げて大径タイヤを履かせたライトSUV仕立てになっているところも旧型と同じ。65mmリフトアップした車体は、それに合わせてバンパーやサイドモールのデザインが専用になり、オーバーフェンダーまで追加していて、おとなしかった見た目をやんちゃテイストに仕立てている。
4×4は日本仕様のパンダでは唯一の左ハンドル・3ペダルMTでもある。ヨンクの必要はないけれど、イタリアンミニはやっぱりマニュアル、ヨーロッパ車はやっぱり左ハンドルという人にもうれしい1台だろう。
ムルティプラと同じようにインパネのセンターから生えたシフトレバーは、意味もなく変速したくなるほど心地よいタッチ。クラッチは軽く、つながりがわかりやすいから苦にならない。車幅は約1.6mだから、左ハンドルのハンデは最小限。料金所でも手を伸ばせばチケットが取れる。
目線が一段高いので、街なかではセダンの屋根越しに前方を見ることができるのがラク。インテリアスペースそのものは2WDと同じだけれど、ライトグレーとイエローあるいはレッドのカラーコーディネイトは4×4専用で、エクステリアと同じように、2WDよりもアクティブなイメージだ。
エンジンは2WDと同じ1.2L SOHC。対するボディは2WDのプラスより100kg重くなっているけれど、オフロード走行を考えて低めにセットされたMTをこまめにシフトし、エンジンを上まで回してやれば、不満のない加速を手に入れることができる。
乗り心地は2WDより硬めだ。タイヤが185/65R14と太いM+Sタイプになったためもあるだろう。でも速度を上げるとフラットになるし、大きめのショックは長いストロークでじわっと吸収してくれる。旧型の4×4はリヤサスペンションがリーフリジッドで、荒れた道ではポンポン跳ね気味になったものだが、トレーリングアームとコイルの独立懸架を手に入れた新型は、比較にならないぐらい快適になった。 |
オン・オフで使える
ニュー4WDシステム |
4WDシステムは旧型はパートタイム式だったが、新型はビスカスカップリングを使ったスタンバイ式になり、切り替えレバーは消滅した。つまりオンロードでも4WDのメリットを生かせるようになったわけで、それを証明するように、コーナリングスピードは上がっている。ディスク/ドラムからフロントがベンチレーテッドの4輪ディスクにバージョンアップしたブレーキは、強烈といえるほどの効きだった。
オフロードのポテンシャルは予想以上。高めの車高や大径タイヤ、低めのギヤ比はこのためにあるという感じで、大きめのギャップやすべりやすい斜面もあっけなくこなす。約1トンという軽量ボディも走破性に貢献しているはず。しかもボディはコンパクトだから、狭い場所にズンズン入り込める。高度な電子制御デバイスがないぶん、自分の手で走破できたという喜びがダイレクトに伝わる。
旧型の4×4は軍用車にも使われたというエピソードが残っているが、新型もその思想を受け継いでいるように思えた。SUVっぽいのはスタイルだけじゃない。走りも意外にしたたかなのだ。 |
文●森口将之 写真●犬塚直樹 |
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●前後のバンパーはセンターをブラックにしてアンダーガード風に見せている。2WDより太いサイドモールとオーバーフェンダーも4×4の特徴。ルーフレールは全車標準装備。タイヤサイズは2WDプラスの155/80R13から185/65R14と、径、太さともにアップしている。 |
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●2WDのプラスと比べると全高が65mm高くなったほか、バンパーのデザイン変更で全長は35mm、オーバーフェンダーの追加で全幅は15mm拡大。車重は100kgアップ。 |
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●着座位置は2WDよりやや高いがアクセスはしやすい。シート形状は2WDと同じ。ドアが短いので、路肩に寄せた状態での乗り降りも不便ではない。 |
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●2WD同様リヤシートは2人掛け。中央のグレー部分はディンプル加工を施したラバー風。両脇はボディカラーによってイエローあるいはレッドになる。 |
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●日本仕様のパンダとしては唯一の左ハンドル、3ペダルMT。シフトパターンは左上に1速がくるオーソドックスなタイプ。ビスカスカップリングを使ったスタンバイ4WDなので、切り替えレバー/スイッチやインジケーターは存在しない。 |
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●リヤシートを立てた状態でのスペースは限られるが、5対5分割の背もたれを前に倒せば空間が広がる。背もたれの裏側は衝撃に強いスチール製。 |
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●エンジンは2WDと同じ。1240ccの排気量はプントと同じだが、ヘッドはプントのDOHC16バルブに対してSOHC8バルブになる。低回転での扱いやすいトルクと、イタリア車らしい高回転の気持ちよさを合わせ持つ。 |
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□ホワイト ■ドライターコイズ ■バニライエロー
■カクテルブルー ■ティシャンレッド ■スティールグレーM |
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パンダ4×4には、クライミングとクライミングプラスの2タイプのグレードがある。メカニズムは共通だが、プラスには十字スポーク・デザインの14インチ・アルミホイールと、前半分が電動スライディングルーフになっているガラスルーフの「スカイドーム」が標準装備となる。クライミングとの価格差は14.7万円アップとなる。 |
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