アルファMITOやアバルト・プントEVOに採用されるマルチエアの革新性は、輸入車ファンならすでにご存じのことと思う。吸気バルブのリフト量と開閉時期を、油圧式動弁機構により自在に可変制御する方式は、ガソリンエンジンの可能性を大きく広げるものだ。で、そのマルチエアの技術と、大人気のフィアット500(チンクエチェント)が合体して誕生したのが500ツインエア。
ツインは2気筒を意味し、気筒数や排気量の削減により大胆なダウンサイジング化を実践した点にも注目が集まる。ターボ+インタークーラー付きとはいえ、総排気量875ccの2気筒ユニットの搭載は、「ガツン!」とくるインパクトを持つ。
では、乗り味は? エンジンをかけると伝わるのは、「トットットットッ」というのどかな排気音とやや大きめの振動。そして走り出し、速度を上げると回転はスムーズになり、サウンドはビートを速めていく。そこで思い出したのは、2気筒だった80年代の軽自動車。最新技術なのに懐かしさを感じるというのは、じつに興味深いところだ。
なら、肝心の性能は? 1.4・16Vをトルクで凌駕する85馬力/14.8kgmを発揮するノーマルモードでは、十分力強い走りを提供してくれる。それでいて、77馬力/10.2kgmに性能をセーブするECOモードでは、1.2・8V以上に優れた燃費を記録するのだから、ツインエアの能力は多彩だ。
でも、デュアロジックやスタート&ストップ機構とのマッチングはもうひとつの印象。とくにECOモードだとトルクの谷にはまる場面があり、ときに走りがギクシャクする。そんな際は、ノーマルモードにして、マニュアルシフトを活用すればいい。
回転を引っ張り気味にすると、走りは俄然として生き生き! フィアット500らしいキビキビ軽快な走りが楽しめるから、ぜひ試してほしい。
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