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FERRARI 599 |
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■発表 2006・10 |
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ダイエット効果絶大のフェラーリは
戦闘機のように力強く、軽く駆けまわる |
マラネロの後継となる2シータービッグフェラーリがリリースされた
スカリエッティとエンツォのテクノロジーを搭載するそのニューモデルの実力は?
599の登場で、いま新たなフェラーリ神話がはじまろうとしている |
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612スカリエッティのリリースで新たな世界観を打ち出したフェラーリの12気筒モデル。ヘリテージを感じさせるオールドスクールなデザインと、サーキットからフィードバックされる最先端技術が搭載され、注目を集めている。
599はその2シーターバージョンとして新たにラインアップに加わった。ポジションは575Mマラネロの後継。より時代感が取り入れられ、ラグジュアリーテイストを兼ねそろえたのが特徴だ。
そんな599はスカリエッティと骨格を共有する。フレームはマラネロとは違うアルコア社製アルミスペースフレーム。アルコア社はあまり馴染みがないかもしれないが、旅客機のホイールなどを製造する世界屈指のアルミ製造メーカーである。599はそれを採用することで、剛性を高め、かつマラネロよりも150kgの減量に成功している。
ただし自慢の65度V12気筒エンジンはスカリエッティからスライドされたものではない。エンツォ用ユニットをベースに細部を再設計し、それをデチューンした。とはいえ、マックスパワーは620馬力。もはや尋常じゃない領域に突入している。
コクピットに座ってまず目についたのは、430をさらに大人にしたダッシュまわり。撮影車はオプションのカーボンダッシュパネルが付いていたので、さらにスペシャル度は高まる。
スターターはステアリング上の赤いボタンで、左の親指で押すとフォンと12気筒が目覚める。この瞬間、ドライバーはいま自分がフェラーリのコクピットに座っていることを再認識することだろう。
メーターはセンターにイエローのタコメーター、その右にスピードメーター、左に液晶のモニターがレイアウトされる。演出は十分。と同時にエクステリア同様イタリアンデザインの妙を感じさせる。色使いを含め、他の国のメーターではお目にかかれそうもない。
トランスミッションは従来のF1がさらに進化し、F1スーパーファストとなった。これは430からスタートしたマネッティーノと連動するもので、最短でなんと0.1秒でシフトチェンジを行う。0.2秒を誇るアウディのDSGをさらに上まわるから恐ろしい。
走り出してからは、まずボディの軽さに驚いた。このクルマは前に立つとわかるが、ボンネットがデカく軽快なイメージはない。それがひとたびアクセルを踏み込むとまるでライトウェイトスポーツにでも乗っているような感覚となる。その軽さはボディだけでなく、パワートレーンを含んだものだ。
そしてスピードを上げていくと、今度はステアリング上部に隠れていたレブカウンターが左からひとつづつ光りだす。まさにF1マシン。オーナーを満足させるのに事足りる演出だろう。
まるで戦闘機のように力強く、そして軽く駆る走りに感動しながら、次に驚かされたのは静粛性だ。
たしかにあの甲高いエンジンサウンドは聞こえるのだが、それ以外の風切り音、ロードノイズなどは思いのほか遮断される。この辺はこのクルマがよりラグジュアリー方向に振られている証。その意味でもかなり「大人向け」に味付けされたフェラーリと断言できる。 |
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●撮影車はオプションの20インチを装着。赤く塗られたブレーキキャリパー、カーボンセラミック・ブレーキシステムもオプション設定。後者は190万円オーバーの代物。 |
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●軽量化が施されたバケットシートももちろんレザー。そしてそこに座るとイエローのタコメーターが目の前に現れる。その横の液晶モニターでは水温や油温、タイヤ空気圧、ラップタイムなどが表示される。エアコンはすべてダイヤル式。リバースはボタン式となる。 |
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●ダッシュパネル中央部などを見ると430からの流れを汲んでいるのがわかるが、上級モデルである599はさらにラグジュアリー方向に振られている。なめしの効いたレザー、アルミと黒を基調としたスイッチ類の配置がその証。パネル上部はオプションのカーボンダッシュ。ステアリング上の赤いボタンがスタータースイッチ、その右側がマネッティーノの切り替えスイッチ。 |
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●V8フェラーリよりも確実に実用性を持っているのがこのトランクルーム。右端にはバッテリーが搭載され、そこにはオレンジに染められたレザーのエルメス風?車検証入れが備わる。車載キットはトランクのフロア下に収納される。 |
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●エンジンは5999ccの65度V型12気筒となる。最高出力620馬力は7600という高回転で発生される。ベースとなるのはエンツォ用のパワーユニットで、それをフロントミッドに搭載する。 |
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■ロッソ・コルサ □ビアンコ・アヴス ■ブルー・ツールドフランス
■ジャッロ・モデナ ■アルジェント・ニュルブルクリンク ■ネロ・デイトナ
■グリージョ・シルバーストーン ※ほか9色あり |
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もともと個性の強いクルマなので何色でも
16色のボディカラーにも驚くが、インテリアカラーが12色設定されているのはさすがだ。内装の違いで雰囲気はがらりと変わるもの。ラグジュアリー度を高めるなら華やかなベージュだが、よりスポーティな男の仕事を強調するなら写真のブラックといったところだろう。これはこれでかなり艶っぽいのはたしかだ。なお、上の写真も、ドライビングゾーン・カーボンインテリアというオプションを装着している。ちなみに、価格は57.8万円で、ドアパネル&モールディング・カーボンインテリアが59.4万円となる。あわせておよそ120万円也! |
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