右の写真をご覧いただきたい。岩場にたたずむグランドチェロキー。都会派といわれるグラチェロだが、ジープであることを強く感じさせるシーンである。ただ、このクルマはこれまでとはちょっと違う。そう、キラリ輝くヘッドライトを見ればお気づきのようにマイナーチェンジが施された。
今回のポイントは、フロントマスクの意匠変更、インテリアのグレードアップ、それとトランスミッションが5速から8速ATに進化したところ。競合を見習って総合的バージョンアップが図られた。
で、まずはそのデザインだが、ヘッドライトは細め目となりさらにモダンなテイストに仕上がる。じつはこれは今年3月のNYモーターショーで発表された新型チェロキーに通じるもので、ブランド共通の新しいアイデンティティとなる部分だ。言ってしまえば、イタリアンテイストが加わった。
というのも、今回のマイナーチェンジはフィアットグループになって初。そもそもこのクルマはメルセデス・ベンツと同じ会社だったころのノウハウが取り入れられているが、そこに今回はフィアットの技術が注入されたのだ。インテリアも8.4インチのタッチスクリーンが備わるなど進化している。
ラインアップはこれまでどおり3.6L V6のラレードとリミテッド、5.7L V8のサミット、6.4L V8のSRT8という顔ぶれだ。そして今回試乗したのは2つのV6となる。
走らせた感想はかなりスポーティだということ。見かけ以上にフットワークは軽く、ワインディングをキビキビ走る。もはやヨーロピアンSUVと遜色ないほど。また、取りまわしもよく、それほど大きなクルマに乗っていない気がする。これも美点。コントロール性が高いのもこの手のクルマの重要ポイントとなる。デザインとともに走りも洗練されたグラチェロ。8速ATは燃費にも貢献しそうだ。
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