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PRESTIGE OF REAL THING THE TRADEMARK,EXTERMINATION OF PIRATED VERSION |
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文●GooWORLD 写真●IKEGAMI CORPORATION、GooWORLD |
ロリンザーを心から愛し、海賊版と戦う男…… |
「ニセモノを売るような人間とは、徹底的に戦いますよ」とは、ロリンザー正規代理店である池上コーポレーションの池上末貢(いけがみ みつぐ)常務。
近ごろ、都心とりわけ繁華街で目にするメルセデス・ベンツ(とくにSクラス)のリヤを見ると、ロリンザーのエンブレムに遭遇することのなんと多いことか! その光景を見ながら「景気の回復も本物だな」と思っていたら、池上さんいわく「そのほとんどはニセモノ」とのこと。彼は現在、ほかの用品メーカーと共に、政府や警察と協力して不正な模造品を撲滅するべく熱心に活動している。
近年、高級ドレスアップ用品の不正コピーは過激に、そして大胆になっている。以前は、ひと目見ただけで偽物と判別できる粗悪品がウラで細々と販売されているだけだった。ところがここ3年ほどは、インターネットや雑誌などで堂々と「ホンモノより断然安い!」などと謳う広告も見かける。業者が日本で精巧な海賊版の金型を製作し、それを中国に送って生産しているケースもある。これらの商品には、国土交通省が管轄する「JWL」など、品質基準適合の刻印までもがコピーされている。手口の巧妙さ、悪質さが目立ってきているのが現状だ。
ところで、ロリンザーのエアロパーツは、ベンツ純正の衝撃吸収材が装着できるように作られているが、見た目だけを重視するコピー商品には装着できないものが多い。これでは事故の際、乗員が大きなダメージを受けることになり危険だ。軽く追突されただけなのにフレームまで壊れてしまう場合もある。また、池上さんは「購入後3年が経つ不正品のアルミホイールは、ひび割れやエア漏れがおきやすいので危険です」と、空気圧のチェックも奨める。
「違法業者に直接勧告して、家宅捜索や逮捕などの強硬な法的措置をとったのが功を奏し、たしかに海賊版の販売自体は下火になってきました。ただ、すでに販売されたこれらの商品を装着した中古車は、物件広告やオークションなどで、依然として目につきます……」と語る池上さんは、次なるターゲットに向けて新たな闘志を燃やしている。
半世紀以上の歴史を持つ高級チューナーのロリンザーは、メルセデス・ベンツとの関係がとくに深く、ロリンザーで確立された意匠や技術が後のメルセデスに採用されることもしばしばだ。同社の製品には、厳格さで知られるドイツの品質基準「TUV」だけでなく、メルセデス・ベンツが定めるハイレベルな社内基準も同時に要求されている。
数十年にわたり、ロリンザー家と家族的な親交を温めてきた池上さん。創業者の墓前にも幾度となく足を運ぶという彼にとって、今回の活動は単に「会社利益の保護」という大義名分だけではないようだ。それは彼が敬愛してやまないロリンザーの思想を守り抜くという「意地」のようなものなのだろう。 |
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●正規品は、世界一厳しいというドイツ国内の検査をパスして日本に送られる。安心は保証済み。 |
●AMGとは違う、しっとりと落ち着いた「大人な」雰囲気が人気のロリンザー。コピー商品の標的だ。 |
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池上未貢氏
●池上コーポレーション常務。ユーザーからはもちろん、メーカーや用品業界からの信頼も厚い。健全なドレスアップ文化の定着に燃える。 |
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