 | CREATIVE POWER YES ! ROADSTER TEST DRIVE BY MORI KEITA |
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| それは“わかって選べる人限定”の、まさにオトナのクルマだった |  車重800ナンボkgでフレームがアルミでミッドシップで、ということではこれ、有名なロータス・エリーゼと同じリーグにいる。でも、乗った感じはだいぶ違う。たとえばの話、ちょっとアルコールがほしいときにジュース系カクテルを飲むか芋焼酎ストレートかぐらい違う。YES！は芋焼酎ですよ。
YES！のどのへんが芋焼酎かって、まずとっつきあまりフレンドリーではない。ドア開けて乗り込んでドア閉めてベルト締めてエンジンかけるまでのところからして万人向けでは全然ない。でも運転姿勢はヘタなベンツよりイイし、運転も基本的にはしやすい。キワモノのキワミだと思ってると、そこでちょっと肩すかし。あるいは嬉しい期待外れ。「ああこれマトモそう」って。実際、大筋マトモ。意外やいいヤツなの。
ホイールベースやパワートレインの配置からすると、YES！ってエリーゼよりもさらに曲がること重視のキレたクルマにみえる。なんだけど、実際には高速真っ直ぐがめちゃめちゃ気持ちいい。路面の轍で前輪がチョロつくとかなしに安心してズドーン！といける。エアロ効果か、速度が上がるとハンドルの座りがよくなったりもする。当初オモチャのテントみたいだなと思った幌も、アウトバーン速度で全然ヘーキ。バーンと張っててバタつきとかなくて。曲がりまくる基本の体質を躾のレベルではかなりテッテー的に真っ直ぐ重視安定重視に振ってあるんだとしたらそれ、なかなかの見識ですよ。曲がりまくる基本をチューニングやセットアップのレベルでもそのまんま出す方向でクルマ作ったらアブナくて乗れないから。あとYES！、車体骨格のガッチリ感はエリーゼより上。ゴツい。
で、曲がるとどうか。とりあえず、無茶な全開等はゼッタイ避けたい。そんなことしなくても基本がそっち向きだから楽しいし十分トンでもなく速いし、ひとたび限界まで速さを引き出そうとしたら日本のトップクラスのレーシングドライバーでも手ぇ焼くシロモンだから。本気で過給かかるとアクセラレーター戻してもすぐには減速してくれない（吸気系のどっかでホースがブワンとなってるせいだと思う）とか、装着タイヤの荷重特性がクルマの重量と合ってないとか細かい（笑）ツメ不足はあって、その意味でもオトナのクルマ。わかって遊べる人限定。ただのいいヤツに非ず。
じゃあエリーゼはコドモ用か？ 較べたらそうです。あれならコドモが乗っても大丈夫。あと値段。イッセン万円強はこれまたエリーゼがユーノスに思えてくる額面だけど、フレームの作りや台数（数十の規模）考えたらむしろ当然。そこまで意識がいっている人なら「高っけえ」とはいわない。そもそも輸入されただけでラッキー。それにしても、オートリーゼンてどうしてこーゆーヘンなのが好きなの？ ドンカーブートといい、その昔のテイヨール（タンガラ＆テーバね）やシュペールマルタンといい、どれも芋焼酎的存在だよ。 | |
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| YES ! ROADSTERとは？ | | YES！とは、Young Engineers Sportscarの略。スポーツカーの世界に革命を起こすべくデビューしたこのスーパーカーを生み出したのは、ドイツ・ドレスデン近郊に位置するファンク＆ウィル社だ。ヨーロッパでは、ありきたりなスーパーカー、スポーツカーに満足できなくなった、コアなクルマ好きが好んで愛用しているのだとか。日本ではイエス！ジャパンとしてオートリーゼンが正規輸入元として販売している。 |
 | ●ほぼオーダーメイドとなるため、オプションパーツやカラーバリエーションも自由に選べる。グレードは今回紹介するロードスターに加え、クラブスポーツ（955万5000円）、カップR（1249万5000円）が選べる。 |
| ■SPEC | | イエス！ ロードスター（5MT） | | ●全長×全幅×全高 | 3630×1850×1160mm | | ●最大トルク | 35.7kgm | | ●車両重量 | 830kg | ●サスペンション前後 | ダブルウイッシュボーン | | ●エンジン | 直4DOHC5バルブターボ | ●ブレーキ前後 | Vディスク | | ●総排気量 | 1781cc | ●タイヤ前・後 | 225／40ZR18・265／35ZR18 | | ●最高出力 | 286ps | ●車両本体価格 | 1039万5000円 | | ※最高速度＝264km／h | | ※0-400m加速＝10.9秒 |
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 | ●運転姿勢はヘタなベンツよりマトモ。サイドシルはエリーゼとは対照的に幅はすごく狭い。でも高さはハンパじゃない。 |  | ●ミニスカで乗ってると外からパンツ見えちゃうんじゃないかという心配は無用。なぜってスカットルがかなり高いから。 |
 | ●VW製直4・1.8Lターボのブーストアップ仕様。どーしても縦置きじゃないとイヤだったんだろうね。こだわった造り。 |  | ●買ったら、とりあえず高速道路をトバすだけでも溜飲はだいぶ下がる。意外にというか、飽きないんだなあ真っ直ぐが。 |
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 | | 森 慶太 | | ●各誌で引っ張りだこの自動車ライター。独自な視点と切り口による“モリ節”で、今回はイエス！ロードスターの正体を暴いてもらいます。 |
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