| TOTALLY COMPLETED BMW 7 SERIES FIRST IMPRESSION FROM SPAIN |
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マイチェンした7シリーズの完成された走りをスペインで堪能 | BMWの7シリーズは、2001年にデビュー。当初は、そのデザインに対する批判的な意見が一部のメディアや先代ユーザーから聞こえてきた。従来モデルと比べ、デザインの変化が大胆だったからだ。だが、そうした意見を「エモーショナルな議論が起きた。それはBMWにとってよいことだった」と、今回のマイナーチェンジを担当した役員は語った。 そもそも、7シリーズはBMWのフラッグシップとして各モデルの方向性を位置づける役割を担う。それだけに、このモデルに対するエモーショナル(感情的)な議論は、後に続く各モデルの話題喚起になった。しかもZ4や5シリーズが誕生すると、7シリーズがデザインにおいて果たした役割を多くの人が理解したはずだ。販売面でも、マイチェン前に7シリーズは先代モデル以上の成功を収めていた。今後ユーズドカー市場でも、そのオリジナリティに富むデザインへの評価は高まるかもしれない。 7シリーズは、今回の変更で760i/Li(ロングホイールベース仕様)が搭載するV型12気筒を除き、エンジンをすべて新開発。日本市場での主力となるV型8気筒エンジンを含め、大幅な性能向上を実現している。また、そのパフォーマンスをデザイン的にも表現し、ダイナミック感をさらに際立たせたフェイスリフトが実施されている。 注目のV8エンジンは、4.4Lが4.8Lとなり367馬力、3.6Lが4.0Lとなり306馬力を発揮。それぞれ750i/Liならびに740i/Liが搭載する。とくに、750i/Liは燃費を犠牲にすることなく、排気ガスの浄化性能も一段と向上させている。 今回の試乗は南スペインが舞台。750iに乗りアクセルを踏むと、高回転域まで一気に吹け上がる伸びのいい加速が得られる。もちろん、日常的な場面ではアクセルを深々と踏む必要はない。高回転域での刺激が低中回転域で充実したトルクを確保しているので、走りは余裕に満ち、洗練されていた。 シャシーも変更され、リヤのトレッドが14mm拡大している。そのため、見た目の踏ん張り感が変更前にも増して強調されている。これは走りにも好影響を及ぼし、高速道路では文句のつけようがないスタビリティが確かめられる。試乗車は、スタビライザーの強さとダンパーの減衰力を連続可変制御するアダプティブ・ドライブを装備していたので、コーナリング中のロールは基本的にゼロを保つ。4輪の接地感が高いため、ステアリング操作に対する応答性がダイレクトであり、山岳路でもボディの大きさを意識することなくスポーティカーのようにコーナーを駆けぬけることが可能だった。 それでいて、スプリングを硬くしてロールを抑えているわけではないので、路面からの衝撃はしなやかに吸収する。まさに、フラッグシップモデルと呼ぶにふさわしい快適な乗り味だ。 | |
| | | ●スポーティでダイナミック、しかもエレガントに見えることがエクステリアのテーマ。単なるフェイスリフトではなく、ルーフとドア以外は全面変更している。アダプティブ・ドライブも含め足まわりは完成の域に。 |
| ●新エンジンは、BMW独自の技術であるスロットルレス化を実現するバルブトロニックを採用。アクセル操作に対する応答性はかなり鋭く、高性能でありながら優れた燃費や排出ガスの浄化性能も備えている。 |
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| 萩原秀輝 | ●長年のジャーナリスト生活で得た圧倒的なテスト経験と、レース仕込みのドライビングテクニック、そして熱きクルマLOVEで試乗する! |
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