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スーパーカー博物館 名車の真実に迫ります
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スーパーカー博物館
フェラーリ512TR
名車の真実に迫ります! スーパーカー博物館
フェラーリ512TR
孤高の12気筒を搭載し、凛々しく艶やかな身体を持つ512TR
しかしながら、テスタロッサからのレベルアップには思わぬ苦労が
今月も「オッ!」と唸る話を交え、名車誕生の真実に迫ります!
FERRARI 512TR
 テスタロッサがデビューしたのは1984年10月2日。その4年後の88年に512TRの開発は本格的にスタートした。本来、次期モデルの開発は現行のデビュー直後の場合が多い。しかしTRのそれが遅れたのは、社内事情のせいでもあった。エンツォの死や、それに伴う新体制への勢力争いで社は大混乱だったのだ。その混乱が納まったときフェラーリのスタッフ構成は、フィアットからやってきた面々が主流となっていた。コンピュータ支援設計を使いこなすそれらの新世代によって512TRの改良は行われたのである。そして512TRは1991年秋に発表されることになる。
FERRARI 512TR
ひ弱な骨格は
512TRで
鍛え直された。
FERRARI 512TRFERRARI 512TR
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外から見えない床が決め手だった
 テスタロッサは威風堂々たる体躯と裏腹に、とても危うい走りをするクルマだった。原因はまずそのエンジンとギヤボックスの置き方にあった。テスタロッサのフラット12はギヤボックスを真上に抱いて、後輪にのしかかるように高く置かれている。つまりBBの設計をそのまま引き継いだのだ。あるときテスタロッサの12気筒エンジンをデフとギヤボックス込みで測ったら、なんと440kgもあった。これは昔のフィアット・チンクエチェント1台分に匹敵する重さ。それがまったくもってシャレにならない場所に鎮座していたのである。
 BBから引き継いでしまったのは、高重心&リヤヘビーという重量配分面での二重苦だけではなかった。テスタロッサは、べろんべろんに捩れるヤワいボディというBBの今ひとつの大弱点もまた受け継いでしまっていた。この時代のフェラーリは、鉄パイプを組んだフレーム式の古式ゆかしい車体構造で、床の部分はまあまあ丈夫だが、上屋の部分は「アウターパネルを固定するのが主な仕事ですから」と言わんばかりのセコいつくり。しかもテスタロッサの場合、エンジンルームには巨大なエンジンがのさばるから、そこに鉄パイプを上手く配すことができず、リヤセクションがとりわけ脆弱になってしまった。いちばん重いところがいちばん弱いという、呆れた車体だったのである。その弱さは、わざわざ走らせなくても後ろを追走するだけで分かる。路面の不整にあったりコーナリングするたびに、リヤ部分がグシャグシャと変形するのが目で見てわかってしまうのだ。
 フェラーリはテスタロッサをマイナーチェンジして512TRにするときに、さすがにこれではマズイと思ったのだろう。あちこちに手を入れてきた。なにせ当時のフェラーリにはレースに出ようと本気で作ったF40という化け物がいた。いかにあちらが限定スペシャルとはいえ、12気筒様がV8ごときに簡単に負けては……。そこで多少なりともマシな走りをするように改良が施されたのである。
 まず諸悪の根源であるエンジン/ギヤボックス。これは、いまさら基本設計を変更できないから形式はそのままだが、マウントブラケットを工夫して頑張って搭載位置を3cm下げた。たった3cmというなかれ。相手は440kgの塊だ。1mmでも低いほうがいいに決まっている。
 そして、かねてより課題の車体にも手が入れられた。テスタロッサでは、エンジンを受ける部分のフレームの床の部分は、本体にネジ留めだった。じつは最初のデザインでは、リヤが今の360モデナのようなスロープバックで、そのためエンジン整備時にそれを上からは抜けないので、フレームごと外して下から抜く方式にしていたのだ。しかし結局リヤデザインはトンネルバックになった。だからエンジンは真上へ抜ける。そこでリヤ床部のフレームはネジ留めでなく、溶接の一体構造に変えられた。タワーバーの例を出すまでもなく、ネジ留めと一体溶接では天と地ほども剛性は違う。
 加えてフェラーリは、古式ゆかしいパイプフレーム構造そのものにも改良を加えた。キャビンの床の部分、そして前の荷室との隔壁とエンジンルームとの隔壁に鉄板を張り込んだのだ。それまでは、床はアルミ板のリベットで留めで蓋してあるだけだったし、前後の隔壁には何も構造物はない。そこに鉄板を張って溶接して、フレームの補強としたのである。
 こうして512TRの車体剛性は当然ガンと大きく上がった。言うまでもなく剛性アップは走りに効く。なにせ元がグニャグニャだったから、その違いは大きかった。テスタロッサでは思わずチビってしまうコーナーでも、512TRは冷や汗をかく程度で済むようになったのである。
 こうして俄然きちんと走るようになった512TR。その原因を、人はこのときから採用された18インチのハイグリップタイヤのおかげだという。しかし考えれば分かるとおり、駄目なシャシーにハイグリップを履けば、走りは余計に崩壊する。512TR最大の改良点は、凛々しく艶やかなその身体の、内側の骨格だったのである。
FERRARI 512TR
FERRARI 512TRFERRARI 512TR
FERRARI 512TR
●BB/テスタロッサ系のフラット12は、長さが1.2m、幅も80cm以上ある。ちなみにクランクの中心は地上50cmのところにあった。それがTRでは3cmほど下げられたのである。最高出力は428馬力/6750rpm(日本仕様は412馬力)。テスタロッサの390馬力からは38馬力、最初の365BBの360馬力からは2割も向上している。
文●沢村慎太朗 資料協力●ブックガレージ(TEL 03-3387-5168)
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