心地よい驚きだった……
ワーゲンよ、よくやった
2008〜2009年、選ぶべきクルマの大本命は、なんといってもVWゴルフYだろう。日本導入は09年夏予定のこのモデルをアイスランドでの国際試乗会で試した第一印象は、「もうゴルフXには戻れない!」と思えるほどの仕上がりだった。
しかもこのゴルフVI、ご存知の方も多いだろうが、プラットフォームはゴルフVと共通。ボディの構造はもちろん、シャシーも不変である。にも関わらず乗ると先の印象だから、やはりVWの実力は極めて高い。
Vとの違いで主となるのは見た目。ただこれも単に新しさねらいじゃない。VWデザインの責任者ワルター・デ・シルヴァ(かつてアルファロメオも手がけた名デザイナー)は、新型でヘッドライトやグリルなどゴルフの伝統的アイコンを再定義。その上で新たな時代のVWデザインを示唆するキャラクターラインや面構成を行った。一方インテリアはより有機的かつ質感の高いものに。ダッシュボードやドアトリムは見切り処理を滑らかにした上でソフトパッド化したほか、スイッチひとつにまでクロームパーツを与え、結果上級のパサートと同等以上の質感を手に入れた。
さらに今回特筆すべきは静粛性の高さ。フロントガラスには高級車で採用される防音フィルムを挟み込んだタイプを採用。加えて外気を遮断するウェザーストリップなどはすべて二重構造に。また操作系の裏側には防音/制振材をたっぷり奢ったほか、メカノイズも元から低減する工夫がなされている。結果トヨタ車にも迫る静かな室内を実現した。
一方の走りは、ゴルフVをさらにブラッシュアップ。エンジンはVと同じ1.4Lの直噴ターボ(122馬力)と、出力をわずかに落としたスーパーチャージャー+ターボ(160馬力)の2種類で、ともに7速DSG。印象は相変わらず低速から力があって扱いやすく爽快だ。
乗り心地はオプション設定のDCC(アダプティブシャシーコントロール)を装着すると17インチでも心地よく、16インチはまろやかこの上ない。またこの結果ハンドリングもさらに安心感の高いものへと深化を果たした。電動パワステもリファインされ、さらに優れた感触だ。
また今回はパークアシスト(プリウスのような自動駐車)やACC(アダプティブクルーズコントロール)など先進装備も充実している。09年にクルマを買うならチェックは必至! の大本命である。