●重厚な建物が立ち並ぶ一番街には70店舗以上ものお店が軒を連ねている。テレビドラマの収録現場に利用されるほど、情緒を色濃く残すエリアだ。
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タイムスリップしたかのような、江戸の面影を残す蔵づくりの街並
一番街/時の鐘
地産地消の取り組みで食の新提案が充実!
地域の活性化を図るプロジェクトの一環として誕生した「小江戸蔵里」は、蔵づくりの建造物だけではなく、昔から連綿と続く川越の産業を強みに変え、新しい商品として提案してくれるスポットだ。施設は全3つの蔵から構成されていて、まずは地元の農家から毎朝、新鮮野菜が届く「昭和蔵」からめぐることに。立派でツヤがある野菜に観光客ばかりか、地元住民も大勢訪れ、活気に満ちている。「今晩の夕食に……」と、献立を考えながら野菜を選ぶのが楽しいコーナーだ。
続いて訪れたのは、大正初期に建設された「大正蔵」。その中に店舗を構える、レストラン八州亭で腹ごしらえすることに。地産地消をテーマに掲げ、とくに伝統の粕・味噌・醤油を活かした料理が魅力的。早朝から活動している一行にとって、上質な和食は胃に優しく、素材そのもののよさを実感できる味わいだ。ランチメニューも充実し、リーズナブルに食事できるのが嬉しい。
お腹がいっぱいになったら、最後の締めとして明治中期に建てられたおみやげ処「明治蔵」へ立ち寄ってほしい。ここでは、名産の川越芋をはじめとした商品が並び、なかでも絶大な人気を誇る「あまたまかりん」はテレビにも取り上げられ、連日完売するというほど。さつま芋餡(いもあん)をこし餡(あん)で包み、それを竹炭と金胡麻が練り込まれた生地で包み、油で揚げるというこのお菓子は、カリッとした食感と香ばしさ、そして上品な甘さが交差する。「小江戸蔵里」に訪れた際は、必ず持ち帰りたい一品だ。
まかない処 大正蔵
粕漬けで素材を引き立てた
焼き魚は舌鼓を打つ美味しさ
焼き魚は舌鼓を打つ美味しさ
レストラン八州亭のいち押しメニューが「魚の特製粕焼き定食(1280円)」。地元鏡山酒蔵の酒粕で漬けた焼き魚が堪能できる。今回は鮭だったが、季節に応じて種類が変わるので、何の魚か気になる場合は注文時に尋ねてみてほしい。また、川越三元豚を用いた料理も人気だ。
おみやげ処 明治蔵
家でも川越の味を堪能しよう
三角形のパッケージが可愛い「あまたまかりん(写真右上)」のほか、川越三元豚ロースやプリン、民芸品などのおみやげがバリエーション豊富に揃っている。
- D A T A
- 小江戸蔵里
- ●蔵をリノベーションして生まれ変わった商業施設「小江戸蔵里」は、地域活性化に貢献する観光スポット。イベントも多数行われ、なかでも毎月第3日曜日は地元野菜の朝市を開催。また落語家を招き、食事処に設けられたステージで話を披露してもらうなど、積極的な取り組みが行われている。
- A D D R E S S
- 埼玉県川越市新富町1-10-1
- TEL:049-228-0855
- http://www.machikawa.co.jp
いつまでも残したい日本文化が薫る場所
川越の新たな息吹を感じた後は、昔ながらの魅力を求め、小江戸たる由縁が詰まった繁華街「一番街」と、街の象徴である「時の鐘」を尋ねた。小江戸や蔵の街として現在の姿を残している同スポットは、幾重に渡る存続の危機を乗り越えてきた。
1457年に築城した川越城をキッカケに、城下町として栄えた川越は、何度も大火に見舞われる。その経験から、耐火性に優れる蔵づくりが見直され、蔵が街を構成するように。しかし次第に現代建築に押されて衰退し、さらには川越駅前の開発で一番街の人通りが減少。一時は取り壊しが検討されることもあった。
蔵が文化財として、観光資源として見直されたのが1980年代後半から。徐々に活気が戻り、いまでは平日にも関わらず、たくさんの人で賑わう全国有数の名所に発展した。
そんなレトロな街並みが広がっている一番街に、なぜだかジープはよく似合う。古来から伝わる日本建築の特徴的な格子形状が、パトリオットのグリルと通じるからなのか、とても相性がいい。また、共に時代ごとに変わる多様なニーズに合わせ、形を変えてきた歴史的背景が、互いに同調するのかもしれない。そんなことを考えていると、情緒豊かなパトリオットのスタイルに、深い愛着を抱くのであった。
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