東京神田にあった交通博物館跡の前を通ったとき、スタッフのひとりが「懐かしいなあ……新しいほう、行ってないんですよね……」とポツリ。
70年にわたって多くのファンに親しまれた交通博物館は2006年に閉館。それに代わって大宮に鉄道博物館が建設された。そう、昨年10月にオープンして以来、大人気のミュージアムが今回の目的地に決定した!「鉄道の博物館ですか……?」と、イメージがわかないようすの葵(あおい)ゆりかさんがドライブに同行してくれた。
東京ドーム並みの面積を誇る鉄道博物館。しかし、なかに入ってみると、実物の車両展示や体験展示が、じつに見事にまとまっているのに感心する。
博物館のメインとも言えるヒストリーゾーンに足を踏み入れた一行は、一同に息をのんだ。
蒸気機関車C57を中心に、放射線状に整然とレイアウトされた各時代を走り抜いてきた車両たち……。一見すると、それらはまるでNゲージなどの鉄道模型のようでもある。ところが、歩み寄り近づこうとすると、実物車両の大きさ、ホール全体の巨大さに驚かされるのだ。
実際、車内に入れる車両もあり、ちょっとしたタイムスリップ感を楽しむこともできる
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●レトロ感があふれる古い車両に入れるのも鉄道博物館の魅力。「博物館に来てこんなに安らげるとは……」と、ゆったりと腰かけるゆりかさん。 |
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●ミュージアムショップで販売されるお土産は、鉄道をモチーフにした個性あふれるグッズばかり。古今さまざまな車両の携帯ストラップや、石炭あられも人気だ。 |
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●博物館内の「日本食堂」では乗務員のために食堂車で作られていた「ハチクマラ
イス」が味わえる。ご飯の上に目玉焼きとおろしハンバーグを乗せたもので美味! |
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小さいけれど本物に近い感覚
なつかしの車両を見学したあとはパークゾーンに赴き、「ミニ運転列車」を体験することに。
1週約300mの線路コースを約6分間かけて走行するのだが、サイズが「ミニ」ということを除くと、何もかもが本物そっくりに造られている。
大人3名が乗車できる車両はおよそ全長2m40cm、全幅1m20cmとコンパクトなのだが、運転席の造りはご立派。操作ハンドルもワンハンドルとツーハンドルがあり、マニアにとっては心憎い演出が施されている。
いかに小さいと言えども、自分の運転で列車を走らせるのは楽しい。また、ただ走行するだけでなく、駅で停車をしたり、信号に従って運転して行くのだからゲーム性も豊かだ。ところで列車は電気を線路から取っているため、安全上、雨の日には運行されないのでお天気をチェックしてから出かけたい。「明日から電車に乗るときは、一番前の車両に乗って、運転席をじっくり見たいです」とゆりかさん。実際に一度でもミニ運転列車を体験すると、電車に乗っているときの感覚が変わるだろう。ここでは実車さながらの加速感やブレーキの感覚なども楽しめる。「本物も運転したい!」と、大はしゃぎの彼女だった。