日原鍾乳洞の探索を終えたスタッフ一同は口々に「すごかったねぇ」と言い、満足に満ちた顔をして出てきた。
鍾乳洞に入るときには気がつかなかったが、目の前には、日原渓谷といわれる美しい渓流の眺めが広がっていた。雪解けで水量の豊富な川に手を入れてみた水城さんは「冷た〜い!」とはしゃいでいた。しかし、鍾乳洞をゆったりと探索している間に、外の空気はすっかり暖かくなっていた。
「春も、もうすぐですね……」と呟きながらしばし散策を楽しむスタッフ一行は、周囲の景色を眺めて言葉を失った……。
たった今まで、地中の巨大空間を堪能してきたのだが、切り立った岩山や巨大な絶壁など、力強くも幻想的な景観に驚かされてしまったのだ。水城さんも「どこを見ても絵になりますね」と感心している。道路脇には、至るところ、丈夫そうな丸太の落石止めが設けられている。ひんやりと澄んだ空気を思いきり肺にためた一行は、すっかり足取りも軽くなって、「何かスポーツでもしよう!」ということになったが、さすがに思いつかず、「魚釣り」をすることに。
ほど近い多摩川の本流沿いにクルマを走らせると、すぐに広々とした河原が見えてくる。御岳渓谷(みたけけいこく)とよばれる清らかな流れを利用した、奥多摩フィッシングセンターをたずねてみた。ブルーに透き通った水面に見えるニジマスを眺めながら、一同しばしロケを忘れて釣りに集中する。最初は皆、周囲の景色をのんびり楽しんでいたが、水城さんが「大モノ」を釣ってから、雰囲気は一変。スタッフも次々にヒットして大いに盛り上がった。