|
房総の隠れ名所でココロ休まる旅 |
|
|
|
ふと自由な時間ができた1日、家でただ何気なく過ごして夜になって後悔したくない
そして、過ごすなら充実した時間……たまにはドライブに出かけるか! でも、どこへ?
なんだか、どこに行くか考えるのも長い時間運転するのも面倒くさいなあ……
そんな疲れ気味の現代人に贈る処方箋、それがこのGooWORLD KANTO!
関東にあるドライブスポットを毎回ゆったりめの視点で紹介して行きます |
文●鈴木祥浩 撮影●深堀えみ |
|
GUEST NAVIGATOR
小澤美歩さん
● 「最近はイベントのお仕事が多いので、オフの日にはできるだけ身体も心も休ませるようにしています!」という小澤美歩(みほ)さん。この日のドライブでも「と〜ってものんびりできました!」と、残暑バテも吹き飛ばすような元気を見せてくれました。 |
|
ROUTE
タヌキの歌から始まった今回のドライブ。「まさか本当にあるとは……」とだれもが思った證誠寺(しょうじょうじ)でくつろいだ一同は、陸と海の素晴らしい景観を満喫できる大房岬(たいぶみさき)自然公園に。その突端で神秘的な洞窟に出会う。白浜では新鮮な魚を味わい、そして萬徳寺の釈迦像を見る、安らぎの1日。 |
|
|
愉快で悲しい言い伝えから始まる癒しの旅 |
それは、このページの次なる目的地を相談しながら、とあるそば屋に立ち寄ったときのこと……。
そのお店の入り口には見慣れたタヌキの大きな置物があった。するとスタッフのひとりが「しょっ、しょっ、しょーじょーじー」と口ずさみ始めたのだ。そして、またひとりが「しょーじょー寺って本当にあるのかな?」とひとり言。
ところで……なんと! 「しょーじょー寺」は実在していた。それもしっかり、タヌキ伝説と共に。
そのお寺、「證誠寺(しょうじょうじ)」は千葉の木更津にある静かなお寺。早速、スタッフ一同は證誠寺にクルマを走らせたのだ。
このお寺には、「ぶんぶく茶釜(群馬県)」や「八百八狸物語(愛媛県)」と並び三大狸伝説に数えられる言い伝えが存在していた。
「秋のある夜、證誠寺の和尚さんが寝ていると、寺の庭先で楽しそうなお囃子(おはやし)の音がした。目を覚ました和尚さんが外を見ると、お腹をポンポコ叩く大きなタヌキを数十匹のタヌキが踊りながら囲んでいる。それがあまりにも楽しそうなので、和尚さんは自慢の三味線を抱えて庭に出た。それから毎晩のようにタヌキたちと歌い踊った和尚さんは、ある日の晩もタヌキたちの来るのを待っていた。ところがタヌキは姿を見せなかった。不思議に思った和尚さんが庭を歩きまわると、お腹を叩いていた大きなタヌキが、お腹が破けて死んでいた……。和尚さんはその亡骸(なきがら)を庭先に丁重に葬った。」
今日、境内にはそのタヌキを供養するためにつくられた「狸塚(たぬきづか)」が存在し、毎年秋には「狸まつり」が催される。
今回のドライブに同行してくれた小澤さんは、参拝者も少なく静寂につつまれた證誠寺を散策し、「月夜にまたここに来て、茂みに向かって、み〜んな出て、来い来い来い! なんて叫んでみたくなりません?」と楽しそうに笑った。
なんだかすっかり心の温まった一同は證誠寺を後にし、次の目的地「大房岬(たいぶみさき)自然公園」へとクルマを走らせた。
今回のテーマはだれが唱えるまでもなく、「心安らげるドライブ」となっていた。
「木々に囲まれる」と「海を眺められる」という安らぎを同時に体験できるこの自然公園は、大戦中に旧日本軍の施設が置かれていたとは信じられない天国的な美しさを見せてくれた。 |
|
|
|
●大きな岩「増間島」が後ろに見える西側海岸の眺め(写真右)。晴れた日には三崎半島や大島まで望める豊かな景観を楽しめるのが大房岬自然公園の大きな魅力。 |
|
證誠寺 |
|
日本三大狸(たぬき)伝説のひとつ「狸囃子(たぬきばやし)」は江戸時代初期に建立された證誠寺が舞台。それをモチーフに作詞作曲されたのが、有名な「しょうじょうじの狸囃子」だ。 |
|
|
大房岬自然公園 |
|
浦賀水道に突き出たカタチの大房岬(たいぶみさき)自然公園。富浦湾側は波も穏やかで夏には海水浴客も見かける。しかし岬の突端周辺には、まだ人手がほとんど入らない林が残っている。 |
ADDRESS |
千葉県南房総市富浦町多田良1212
TEL:0470-33-3111(観光課) |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
バックナンバー |
|
|