●センター出しのエキゾーストとディフューザーのコンビが、特別なスポーツモデルであることを主張する。LEDランプの採用で、フロントマスクの精悍さにも磨きがかかった。
日本の輸入車好きは、世界的に見てもクルマを見る目が肥えていて、「本質のスポーティ」を見抜くことができる感度の鋭い人々だと言える。それを証明するのは、ルノー・スポールの圧倒的なまでの人気。欧州でも「通」の間では評価が高いルノー・スポールだが、日本人の愛情とこだわりは格別なレベルにある。
メガーヌR.S.(ルノー・スポール)は、そんなフレンチブランドを象徴する最速モデル。欧州では、1.2L直噴ガソリンターボや1.6L直噴ディーゼルターボを積んだモデルも人気のメガーヌ・クーペだが、日本のメガーヌではこいつが唯一のクーペボディ採用車となっている。
自慢の心臓は、ターボの排気干渉を解消して効率を高めたツインスクロールターボで武装した2L。組み合わされるミッションは6速MTのみという、今どきとしては硬派な構成を特徴とする。デビュー時点でも250馬力/34・7kg mとパワフルだったが、「トロフィー」投入を機に、265馬力/36・7kg mへと一段のパフォーマンスアップを図った。
この「トロフィー」でもうひとつ注目できるのは、ブリヂストンと新開発した19インチタイヤ(ポテンザRE050A)に合わせてチューニングし直したシャシー。ファンならすでにご存じと思うが、エンジンとシャシーの再チューニングの効果は、ニュルブルクリンク北コースでFF車最速の「8分7秒97」という素晴らしいラップタイムに表れている。
そんな「トロフィー」のノウハウを注入した現行の日本仕様は、左から右に変わったステアリング位置と、LEDポジションランプ内蔵のヘッドライトが識別点だ。さらに今年1月の改良では、エコも考慮してスタート&ストップシステム(アイドリングストップ)が新採用された。
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