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ロータス エリーゼ |
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ロータス・エリーゼ |
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インテリア |
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走ることに没頭するための
心地いいコクピット空間 |
独特のフレーム構造を持つエリーゼのサイドシルは高く、そして幅広い。そのため乗降にはひと苦労。ソフトトップ装着時……とくに大柄な人の場合は、アクロバット的な姿勢を強いられることに。
しかし、いったんコクピットに収まってしまえば、その空間は意外なほど心地よく感じられる。いわゆる快適装備はエアコンとオーディオだけ。スタンダード・エリーゼの場合は集中ドアロックやパワーウインドウも選択できないが、「シンプル&軽量」にこだわる潔さこそがエリーゼの魅力だ。
ピタッと体にフィットするバケットシートに身を収めて、φ315mmの小径ステアリングを握れば、体も、意識も自然とドライビングモードに切り替わる。そこでのカギは、なみのスポーツカーと比べてはるかに低くセットされたヒップ&アイポイント(車高はわずか1130mm)。セクシーなラインを描くフロントフェンダー越しに見える視界は、通い慣れた道でさえ新鮮な風景に変える。
また、あえてアルミ地肌を露出させたダッシュボードやドアトリム、フロアの演出もレーシーな気分を盛り上げる見逃せない要点。スライドすらしない助手席に乗る人の感想は「おもしろい」と「苦痛」のまっぷたつに分かれるだろうが……運転席に座るドライバーの気分は上々。非日常の感覚や、クルマとひとつになることの快感を満喫させてくれるのがエリーゼだ。
なお、ブラックのクロス地シートが標準だが、レザー内装(4色)やスウェード内装(3色)の選択も可能。111Rは06年モデルから、前席エアバッグや高級内装、エンジンスタートボタンなどを標準化したスーパーツーリングパックも選べるようになった。 |
ユーティリティ&エクイップメント |
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(1)シルバー地のシンプルな2眼メーター。水温計、オド&トリップメーターは液晶ディスプレイに表示。(2)オーディオの下はフレームのサイドメンバーを利用したトレイ。意外なほど実用的。(3)まる目のマークIから大きく変身。つり目のマークIIのウリは、本格スポーツらしい精悍さや獰猛さだ。(4)センターバックボーンのシフトレバー奥にレイアウトされた電源ソケット。111Rは集中ドアロック、パワーウインドーも標準装備する。(5)運転席後ろのスペース。ブリーフケースぐらいなら収めることが可能だ。リヤスピーカーや室内灯にも注目。(6)フェイスレベルベンチレーション付きエアコンとFM/AMチューナー付きCDユニットは111以上に標準、スタンダードにオプションで設定。(7)ソフトトップの脱着は慣れればイージー。タルガトップに変身する。111Rは厚手の防音タイプを標準装備。ハードトップは全車にオプションで設定。(8)エンジン後ろのトランクスペースの容量は115L。ルックスから想像するより大きめだが、熱の影響を受けやすいため積み込むものは限定される。(9)ホイール&タイヤサイズは、フロントが5.5J×16+175/55R16、リヤが7.5J×17+225/45R17と極端な前後異サイズ。スタンダード・エリーゼが履くのはポテンザRE040だ。05年モデルまでは111Rも同様だったが、06年モデルでアドバン・ネオバAD07LTSにチェンジ。111Rのなかでもとくにとんがった“スーパースポーツ”はヨコハマA048を指名し、フロントに195/50R16サイズを履く。 |
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9 |
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メカニズム |
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レーシングカーに近い
構造と成り立ちを持つ |
レーシーなムードを演出するため、操作系やトリムにアルミをあしらうモデルは数多く存在する。が、エリーゼの場合は骨格そのものがアルミ。軽量・高剛性に加えて、安全性やコストもバランスさせる最良の手法として、ロータスは新開発のアルミスペースフレームを採用した。で、組み合わされるボディは伝統の樹脂製。マークIで約700kg、マークIIでも785(日本仕様は830)kgの超軽量を実現したカギはそこだ。
そして、サスはフォーミュラに似た構成の前後ダブルウイッシュボーン式とし、理想に近いジオメトリーを追求。このようにエリーゼは、レーシングカーに近いメカで身を固めている。軽さだけでなく、走りを司るすべての潜在性能が量産スポーツカーでは到達できないレベル。エリーゼの走りが超絶の域にあるのは当然だ。 |
BODY |
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●アルミ押し出し材を使うバスタブ型フレームの単体重量は68kg! 軽量&高剛性の要といえる技術だ。同様のボディ構造を採用するのは、ルノースポール・スパイダーやトミーカイラZZの例があるだけ。 |
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UNDER PANEL |
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●ディフューザー効果を持つリヤアンダーパネル。マークIは愛らしさと軽さが魅力だが、マークIIで進化した空力バランスも見逃せない。111以上のモデルは3分割式のディフューザーを採用。 |
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PEDAL |
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●レーシングカーを思わせるペダルボックスの眺め。バスタブ型フレームだけでなく、ペダルもアルミ製だ! 幅広の靴やソールが滑りやすい靴は御法度。シューズひとつにも要求レベルが高い。 |
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SHIFT |
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●アルミ削りだしのシフトノブ。ゲートは少し渋めで、ストロークも極短とまでは言えないが、ギヤの入りは確実。クラッチミートにも神経質なところはなく、日常のドライブでも扱いやすいタイプ。 |
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エキシージ&340R |
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サーキットに本籍を置く超ホットモデル |
ナンバー付き車両でサーキットを思い切り攻めたい。ライトウエイトスポーツの走りの頂点を極めたい。そんな過激なファンのために開発されたのがエキシージ。マークIは178馬力のローバーKシリーズを積んでいたが、現行のマークIIは111R用のトヨタ2ZZを搭載。なんと、それをスーパーチャージャーで過給した243馬力の“240R”も存在し、その性能は0→100km/h加速4秒以下、最高速249km/hに達する! まさに怪物だ。そして、ルックスの過激さでは右に出るものがいないのが340R。こちらのウリは、600kgの超軽量ボディが生むフォーミュラカー感覚のハンドリングと加速力。どちらもベースメカを共用するエリーゼの仲間。そのポテンシャルが計り知れないことがわかるだろう。 |
EXIGE |
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●迫力あるエアロパーツで武装し、ハードトップを装着するロードゴーイングレーサー。現行型は192馬力のトヨタ2ZZを搭載する。 |
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340R |
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●オープンボディにサイクルフェンダーを組み合わせた340Rは「現代のスーパー7」といえる限定車。340台を00年にリリースした。 |
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ブランドページ |
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